1408号室

この部屋はあなたのココロを破壊する

宿泊した56人の全員が死亡した1408号室。この部屋で一体何が起こるのか。スティーヴン・キングの短編小説をジョン・キューザック主演で映画化。

マイク・エンズリン(ジョン・キューザック)は幽霊ホテルや心霊スポットに出かけては、そのルポを執筆するオカルト作家。だが実のところ、彼は超常現象を一切信じていなかった。そんな彼の元に一通のハガキが届く。「絶対に1408号室に入るな」と書かれたそのハガキにはニューヨークにあるドルフィン・ホテルが描かれていた。興味を覚えたマイクは早速ホテルについて調べてみる。するとドルフィン・ホテルの1408号室に宿泊した56人全員が自殺を遂げているということを知り、さらに好奇心を刺激されるマイク。次回作のためにホテルに向かうが、ホテル側は1408号室の宿泊を頑なに拒否する。支配人であるエリン(サミュエル・L・ジャクソン)はマイクを懐柔しようとするが、断固として受け入れないマイク。あの部屋に入って1時間持った者はいないというエリンの言葉にも耳を貸さず、部屋への宿泊を要求。鍵を受け取り、何年も閉ざされていた部屋へと入るマイクを待ち受けているものとは?


なんじゃこりゃ。小説が恐いからって、なんでもかんでも映画化するなよ。活字によって喚起される恐さと映像によって喚起される恐怖って根本的に違うと思うのよね。特にスティーヴン・キングが描く恐怖って内面に巣食う恐怖なワケでしょ。見えない恐怖っていうの?映像化は難しいと思うのに次々と映画化される不可思議。そしてことごとく恐くないのに懲りずに映画化されるのはどうしてなの?ミーはそちらの方が恐怖ですよ。あ、「キャリー」は恐かったよ。あれはブライアン・デ・パルマの力業によるおかげなのか?「キャリー」の話はともかく。多分、期待外れだろうなと思っていながら観に行きました。全てはジョン・キューザックの情けないお顔を拝むために!えぇ、ジョン・キューザックを愛してますから。彼の情けな〜い表情をこよなく愛してますから。つ〜わけで張り切って観に行ったさ。

全く期待はしてなかったが、序盤はけっこう楽しめた。そして1408号室に入る前に予期せぬビビりポイントがありマシタ。それはサミュエル・L・ジャクソンの血走った眼ですッ!あんな強面の支配人に「部屋に入るんじゃねぇよ」と脅されたら、チビるわ。間違っても逆らわんわ。スゴスゴ帰るわ。しかし我らがマイクは負けない。ま、負けたらはじまって15分くらいでお話が終わっちゃいますから。頑張れ、マイク。

さて1408号室へ張り切って入室。うっかり浴室に閉じ込められたメイドが、ものの10分の間に自分で目を突き刺してヘラヘラ笑っていたという1408号室。なんか豪華なんだか安っぽいんだか中途半端な印象のお部屋デシタ。いきなり大音量でカーペンターズの曲が流れる辺りはびっくり。アンタ、「Close to You」はないやろ。ホラー映画でこういう曲がかかると予想外でびっくりするわ。デモ、大音量でびっくりしただけで恐いのとは違うんだなぁ。ミーはホラー不感症なので、この作品はちっともさっぱり恐くなかったデス。向かいのマンションに助けを求めるシーンでは大爆笑しました。かなりウケた。このシーンは意外な見せ方でワラタ。一緒に観に行った女の子は座席から飛び上がってビビってマシタが。そうか。やはりホラー映画観てケラケラ笑うのは女子としてイカンのか。昔、「新・13日の金曜日」を観に行った時もゲラゲラ笑って周りを呆れさせて途中退場を余儀なくされたなぁ(遠い目)。そんな甘酸っぱい(←どこが)思い出話はともかく。

中盤からのグダグダな展開に口ぽか〜ん。一昔前の恐怖映画の定番かと思われる高所での壁づたいシーンにはやや手に汗握りましたが、次の展開があまりにもミエミエ。その後、何度も繰り返される同じようなシーンに食傷した。どこが恐いのかさっぱり判んねぇよ。オチのつけ方も納得出来ん。マイクとその妻にとっては衝撃かもしれませんが、観客にとっては「だから?」みたいな感想しか浮かばないと思ふ。色んな謎も解けないままだし。KORO的に一番の恐ろしかったのはあの愛しいジョン・キューザックが無様に太ってビル・マーレイにしか見えなかったってことでしょうか。公式サイトのトップ画像は加工しすぎだろ。別人かとオモタわ。
2007年/アメリカ/104分/監督:ミカエル・ハフストローム
1408
2009.01.02記

「ホーンテッド・マンション」
アイ★ラブシネマTOPに戻る