誰1人として成功した者はない!脱出なるか?ダーティ・ヒーロー!準備に873日間をかけた最高至難の脱出作戦!
実話を基に脱獄不可能と言われたアルカトラズ刑務所からの脱走に挑戦する男達を描いたサスペンス映画。
1960年の冬。1人の囚人フランク・モリス(クリント・イーストウッド)が、サンフランシスコ湾に浮かぶアルカトラズ島刑務所へ護送されてきた。彼は米国各州の刑務所で繰り返し脱走を企て、あげくに脱走不可能といわれるこの刑務所に送り込まれたのだ。冷酷な所長ウォーデン(パトリック・マクグーハン)の下で厳重な警備体制がとられるアルカトラズ島刑務所。警備の裏をかいて脱出しても、行手には潮の流れが早い上に水温の異常に低いサンフランシスコ湾が横たわっているため、泳ぎきるのは不可能に近い。高い知能指数を誇るモリスは、所長に目をつけられ、部屋に呼ばれ警告をうける。その時、所長のデスクからツメ切りが消えているのに気づく者はなかった。
モリスは親しくなったリトマス(フランク・ロンジオ)、イングリッシュ(ポール・ベンジャミン)、ドク(ロバーツ・ブロッサム)らと共に密かに、だが着実に脱獄計画を練っていく。果たしてアルカトラズからの脱走は成功するのか?
クリント・イーストウッドが寡黙だけど着実に脱出の準備を進めていく囚人を静かに演じておりマス。寡黙な囚人役なんで、ホントにあんまり話すシーンがナイ。なんとBGMもほとんどナシ。でも全編に緊迫したムードが張り詰めてて退屈させない。冷酷で残忍な所長との対立などはこの手の映画では必ず出てくる話だけど、所長役のパトリック・マクグーハンが非常に憎らしく演じててナイス。彼はコロンボシリーズでも犯人役で度々登場して、いい味出してマシタ。しかし、モーリスは冷静沈着で高い知能指数のはずなのに何故何度も捕まってるの?もしかして脱獄マニア?
まぁモーリスが脱獄マニアなのか、実はおっちょこちょいで更正する気皆無のダメ人間なのかはともかく。昔、TV放映された時の吹き替えが素晴らしいのよ、アナタ。イーストウッドはもちろん山田康雄さんですが、イングリッシュの声は小林清志さんですよ!しかもウォーデン所長は納谷悟朗さんですよ!ヨッ!ルパントリオ!素晴らしいッ。
イーストウッド&ドン・シーゲル監督コンビの男臭さ満開なこの作品。地味ですが数ある脱獄モノの中でもかなりの傑作。男臭さに酔いたい方は是非どうぞ。
1979年/アメリカ/112分/監督:ドン・シーゲル
ESCAPE FROM ALCATRAZ