エンゼル・ハート

人間には、知ってはならないことがある。

行方不明の元人気歌手の捜索を依頼された探偵のまわりで殺人事件が相次ぐ。そして探偵が辿り着いた衝撃の真実とは?

1955年。ニューヨークのスラム街で探偵稼業を営むハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)の元に1本の電話が掛かってくる。それは弁護士からの電話で、ある人物がハリーに仕事を依頼したいというのだ。依頼主の指定した教会へ赴くハリー。そこでサイファー(ロバート・デ・ニーロ)と名乗る謎の紳士から、ある契約を反故にして消えた元人気歌手のジョニーを探して欲しいとの依頼を受け、捜査を開始するハリー。戦争の後遺症で精神病院に収容されているはずのジョニーだったが、病院の記録を見ると既に彼は退院したことになっていた。だが、その記録に疑問を感じたハリーは主治医だったファウラー(マイケル・ヒギンズ)を訪ね、ジョニーが男女に連れられ退院したことを聞き出す。だが、食事のために出かけたハリーが再びファウラーの自宅を訪ねると彼は何者かによって殺されていた。ジョニーの行方を追うハリーの周囲で次々と死んでいく関係者。何者の仕業なのか?そしてジョニーとサイファーの関係は?事件の真相を知ろうとしたハリーに突きつけられる恐るべき真実とは?


公開当時、ミッキー・ロークが好きで好きでたまらない症候群だったもんですから。ヨレヨレのコート姿にさえ、萌え萌えでしたから。内容なんか全くチェックせずに観に行った。しかし公開されたのは1987年。ということは当時、ミッキー・ロークは31歳。え?もっとおっさんかと思ってたよ。若いじゃん!どっちかというとまだまだヒヨっ子じゃん!老けてたんだなぁ。つ〜ことは「ナインハーフ」の時は20代?うわ。なんか急に気持ち悪くなってきた。20代であんな男がいるワケがないッ!ミーはファンといってる割には生年月日とかには全く興味がないので、勝手に30代後半と決め付けておりマシタ。まぁ老け顔とか後年の猫パンチとかはおいといて。

いいね!デ・ニーロが登場した時点でなんとなくラストが予想出来なくもないがイイね!アラン・パーカーのスタイリッシュな映像が冴えてますなぁ。随所に織り込まれる滴る血のイメージ。怪しげな宗教団体が集会を開く教会で待ち受ける謎の依頼主。光る爪。カラカラと回る換気扇。どこまでも続く螺旋階段。ハリーの訪れる場所はどこも暗く、薄汚いんだけど光と影のバランスが絶妙。やや映像に懲りすぎたきらいはあるけれど、ミーは大好きですね、この作品。ミッキー・ロークとデ・ニーロの共演も嬉しいけれど、シャーロット・ランプリングの登場がこれまた嬉しすぎる。陰鬱で退廃的な香りを漂わせた彼女に興奮しましたヨ。当時、既に40過ぎてたワケだがシャーロット・ランプリングはイイ!あの陰りのある眼差しがタマランッ!出番は少ないが強烈な印象。うむ、大満足。

スタイリッシュではあるが、テーマがアレなので残忍なシーン満載。クライマックスの血ドバーッに当時はホントに驚いた。2トンですって、2トン。血が2トンですよ。スゲェ。ラストは途中から薄々気付いていたワケだが、あのデ・ニーロの表情にヤラレた。マジで背筋凍った。

ミッキー・ロークのうらぶれた姿も非常にサマになっております。決してファンだったから贔屓目になってるワケではなく、どこか陰のある負け犬のような風情が作品の雰囲気に合っている。あ、忘れたちゃいけないわ!リサ・ボネ!若いのに色っぽいッ!エロフェロモンがバンバン出まくっててイイッ!

ハードボイルドテイストにオカルト、サスペンスを絶妙にブレンドした逸品。
1987年/アメリカ/113分/監督:アラン・パーカー
ANGEL HEART

「ゆで卵を食べるシーンで恐怖感を味わおうとは」
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