陰謀のセオリー

唯一の記憶。それは彼女を守ること。

タクシー運転手と女性弁護士が、図らずも巨大な陰謀に関わってしまったことから危険に巻き込まれていく姿を描いたサスペンス。メル・ギブソンが妄想癖のあるタクシードライバーに扮して例のごとく(?)大暴れ。

タクシードライバー、ジェリー(メル・ギブソン)は周囲のちょっとした出来事を国家的陰謀に結びつけ、タクシーの乗客に様々な陰謀説を説いていた。突拍子もない話を客にそれこそ得意満面、大熱弁で語るジェリー。この世界は陰謀に満ちていて最新の陰謀は大統領暗殺計画。そして彼は自分の部屋に戻っては新聞からの情報を独自に解釈したニュースレター「陰謀のセオリー」の編集・発行に勤しんでいた。そんなジェリーだったが、実はタクシー運転手になる前の記憶が一切なかった。唯一の記憶は女性弁護士アリス(ジュリア・ロバーツ)を日々監視し、その安否を毎日確認しなければいけないこと。

ある日、取材のために政府ナンバーの車を尾行していたジェリーは何者かによって拉致され、拷問を受ける。重傷を負いながらも脱出に成功した彼はその足でアリスに会い行く。だが、危険はジェリーだけでなくアリスにも迫っていた…。


なんだかメル・ギブソン主演の作品の中では、あまり評判がよろしくないらしい。何故に?ミーは割りと気に入ってるのですが。かなりイッちゃった目で次から次へと陰謀説を繰り出すジェリーがオモロ。そして毎日欠かさずアリスをストーキング。この映画を初めて観たのは実は飛行機の中。その時は途中で寝た。冒頭が退屈だった。しかし改めて観てみると意外とイケた。ジェリーはただの妄想野郎と思いきや、実は可哀相な男なんですよ。ちょっとその設定はどうかなとも思いましたが。

そんな妄想野郎のジェリー。ただの陰謀マニアかと思ったら、やたらと危険な目にあう。最初は奇異な目でジェリーを見ていたアリスも徐々に彼を信じ始めたことで、ある巨大な陰謀の真相に近づき、危険な目にあいます。ここらへん、ちょっと「ペリカン文書」にかぶってるような。役回りはちがうけど。

ストーリー展開がやや説明不足で強引な点があるけど、この作品は陰謀がどうこうというより相変わらずのメル・ギブソンのしぶとさが楽しめればヨイと思う。キレまくりな元祖人間兵器ぶりを堪能出来ただけで満足。
1997年/アメリカ/135分/監督:リチャード・ドナー
CONSPIRACY THEORY

「ヘリからの攻撃さえ避けるJ・ロバーツの走りっぷりにバイオニック・ジェミーかとオモタ」
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