エスケープ・フロム・L.A.

大地震で陸の孤島と化した近未来のL.A.を舞台に、政府が秘密裏に開発した新兵器奪還の為に送り込まれたアンチ・ヒーロー、スネーク・プリスケンの活躍を描く。

2013年。合衆国終身大統領(クリフ・ロバートソン)の娘ユートピア(A・J・ランガー)は父の独裁政治に反発し、政府が秘密裏に開発した新兵器ブラックボックスを持ってL.A.に逃亡する。L.A.は2000年に起きた大地震の為に陸の孤島と化して以来、現大統領の徹底した管理体制の規律に反する者たちの追放場所となり、犯罪者たちの監獄島となっていた。ユートピアはL.A.内に君臨するペルーの革命家クエボ(ジョージ・コラフェイス)の巧みな言葉に騙され、ブラックボックスを持ち出したのだった。新兵器を手にしたクエボは、L.A.島の全囚人の解放を要求して合衆国政府を脅迫する。

万策尽きた大統領と公安のマロイ(ステイシー・キーチ)は、15年前、ニューヨークの監獄島から当時の大統領を救出した元特殊部隊、今は重犯罪者であるスネーク(カート・ラッセル)を、L.A.に潜入させる手段を選ぶ。彼らはスネークの体内に殺人ウィルスを注入し、解毒剤と引き換えにブラックボックス奪回を命じる。原子力潜航艇で単身島に乗り込んだスネークだが、そこは想像以上に狂気と暴力の渦巻く荒廃した街だった…。


スネ〜〜〜〜クッ!この作品のカート・ラッセルはとんでもなくカッコイイ。他の作品では、いまいち冴えないおっさんてカンジなのにスネーク役の彼はイイッ!「意外と背が低いのね」と言われてもカッコイイものはカッコイイ。原子力潜航艇で乗り込んだのはいいが、崖っぷちに到着してズルズルッと潜航艇が落ちていくのを情けなさそうに見つめる姿や、サーフィンシーンでの腰の引け具合とかクールなのにおバカなトコがこの上なく愛おしいデス。あれ、もしかしてカッコ悪いのか?否ッ!スネークはカッコイイのデス!けっこうお金がかかってる筈なのに全体的にチープなカンジがするのも、全くもって問題ナシなのデスッ←えッ?

とにかく「メタルギアソリッド」を愛している身としては、元ネタであるスネークシリーズは必見。前作「ニューヨーク1997」は観てないけど。ま、続編といっても舞台が変わっただけでリメイクといってもほぼ間違いではないので、問題ないかと思われマス。スネークたちが「クリーブランドで〜」とかいう台詞を言う度に「ザンジバーランド?」とか思ったり。しかし「メタルギアソリッド」の元ネタだからとか、そういうコトを抜きにしてもこの作品はミーの心を激しく揺さぶりました。監督がB級映画の巨匠(褒めてるのか?)、ジョン・カーペンターだし。

まぁ出てくる人、全てが変で愛おしいですよ。地図屋のエディ役でスティーヴ・ブシェミが出てきた時はビックリした。それと謎のおっさん。ずっとビッグ・ウェーブを待ってるらしい謎のおっさん役はピーター・フォンダ。ハァッ?スネークがL.A.島に上陸した途端、現れて「スネークだろ?」とか「案外背が低いんだな」と親しげに話しかける割にはスネークにキッチリ無視される。そしてまた唐突に現れ、何故か予備のサーフボードを用意してスネークを助ける役名もあるのか定かでないおっさん役をピーター・フォンダが演じてますよ。コケそうになった。そしてチェ・ゲバラそっくりなクエボ。乗ってる車がなんともいえません。ミラーボール付き。他にも恐ろしく不器用としか思えない外科医とか。クリーブランドで共に戦いながら、スネークを裏切った男にパム・グリアーとか。デモ、性転換して今は女とかいう役柄デス。コワイ。とても「男たちの憧れの的」には見えん。キレイだけど、やっぱりコワイ。そしてそんな変な人たちとクールに渡り合うスネーク。惚れたぜ。

スネークがクエボの手下たちに囲まれ、危機一髪なシーン。焦らず騒がず「バンコク式でいこう」、空き缶を投げ「落ちたら抜け」と言って自分は落ちる前に早撃ち。倒れた敵に「抜けよ…」ですって!きゃぁぁぁ〜、ステキッ。まぁ敵に囲まれるのは着ていたコートが車から転げ落ちた時に、瓦礫に挟まって脱げないでジタバタしてたせいですケドね。そんなおバカさ加減とクールさ具合のミスマッチ感がとてもラヴなのデス。クエボに捕まりルームランナーでダイエットに励む(?)スネークの姿もヨカですなぁ。

全編そこはかとなくどころか、かなりおバカさが漂ってますが、それでもスネークはクールでカッコヨイのデス。
1996年/アメリカ/101分/監督:ジョン・カーペンター
ESCAPE FROM L.A.

「無法地帯ディズニーランド」
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