怖さ、ファーストクラス。
強力な神経ガスを携え民間航空機をハイジャックしたテロリスト集団から神経ガスの奪回と乗客の生命の危機を回避すべく密かに航空機に潜入する男たちの活躍を描いたパニック・アクション。
アテネ発ワシントンDC行きのジャンボジェット機がテロリスト集団にハイジャックされた。テロリストの主犯格ハッサン(デイヴィッド・スーシェ)は、服役中の組織のリーダーの釈放をアメリカ政府に要求する。緊急対策会議が開かれるが、その席上でアメリカ陸軍情報部顧問のグラント(カート・ラッセル)は数ヶ月前に発生したソ連製の神経ガス強奪事件とこのハイジャック事件を関連付け、テロリストらの要求を飲まなければ彼らは神経ガスをばら撒き、乗客の命だけでなくワシントンを含め周囲4千万人の命さえ奪うだろうと力説する。
グラントの意見を無視してワシントンにジャンボ機を着陸させ、4千万人の命を危険に晒すか、それともアメリカ空域内に入る前に爆撃し、乗客400名の命を犠牲にするか。苦しい選択が迫られる中、陸軍大佐のトラヴィス(スティーヴン・セガール)はまだ実験段階にある空中輸送機をジャンボ機にドッキングさせ特殊部隊のメンバーをジャンボ機内に潜入させることを提案する。作戦は認められ、トラヴィスは腹心の部下たちに加え、実戦経験皆無のグラントを選ぶ。戸惑う間もなく、輸送機に乗り込むグラント。やがて飛行中のジャンボ機に近づき、潜入作戦は実行されるが…
テロリストによって奪われた神経ガスを奪回すべくカート・ラッセル&スティーヴン・セガールが頑張るアクション映画。これは面白い!カート・ラッセルがいい味出してます。セガールの大佐役に対して彼は運動音痴な博士役で頑張ります。アクション色の強い作品が多いカート・ラッセルがアクションがまるっきりダメな博士というのがまず面白い。
あ、セガール。実はけっこう序盤であっさり消える。ホントにあっさり。単なるゲスト出演。なのでカート・ラッセルとセガール共演というのは、ちょっと違うかも。まぁ出番は少ないが相変わらずセガールはセガールだったというだけで満足なのよ。セガールはさっさと消えるワケですが、それを補って余りある程、部下役のジョン・レグイザモや役立たずな爆発物処理係りが見せてくれます。冒頭の神経ガス強奪シーンもサスペンスフルでヨロシイ。
民間機へのドッキングシーン、貨物室や天井裏の移動シーンどれも手に汗握ります。展開はまぁお約束なカンジなのでバレバレではありますが、それをちょっとだけ裏切るトコが面白い。観客に紛れている○○○には「アンタら、最初から特殊部隊が潜入してくるって知ってたのかよ!」というツッコミどころはあるが些少な問題ですよ。
この映画を監督したスチュアート・ベアードは本作が初監督作品とか。けれどお約束な(いろんなアクション映画のいいとこ取り)ストーリーをうまく見せてる。と、思ったら元々は編集をしてた人なのか。へ〜へ〜へ〜。
そういえばハリー・ベリーも乗務員役で出てた。マスカラをぐちゃぐちゃにして泣きながら頑張ってた役か?と「タービュランス」のローレン・ホリーと何故か混同して実はあまり印象に残ってない。たしかハリー・ベリーは勇ましく、美しく頑張ってたと思うのだが。
1996年/アメリカ/132分/監督:スチュアート・ベアード
EXECUTIVE DECISION