オーロラの彼方へ

もう一度、逢いたい。話したい。NYでオーロラの見える日、30年前と無線がつながった。それは父が死ぬ前日。今なら未来を変えられる。

過去に遡って人生の出来事を変えることができるとしたら?

1969年、ニューヨークの空に珍しいオーロラが出現した日。消防士であるフランク(デニス・クエイド)は救助を終え、愛する妻ジュリアと息子ジョンの待つ家へと帰る。親子3人の生活は幸福そのものでまるでその日のオーロラのように輝きに満たされていた。しかし、その2日後、フランクは救助に向かった現場で命を落としてしまう。突然の父の死にジョンは深い哀しみに暮れ、それ以来、父が命を落とした運命の日を変えることが出来たならと夢見る。

1999年、刑事となったジョン(ジム・カヴィーゼル)はある事件を追っていた。父が亡くなった30年前と同じようにニューヨークにオーロラが出現した夜、ジョンは自宅で父が愛用していた無線機を見つける。そしてある男と交信するようになるが、それはまるで父と話しているようだった…。


感動した。いきなりですが大泣きした。父子愛でサスペンスでタイムパラドックス。素晴らしいッ。冒頭の火災現場の派手な爆発シーンから見入っちゃいますよ、アナタ!そしてデニス・クエイドがステキなオヤジっぷりですよ!ザ・アメリカンおやじですよ!←褒め言葉。ジョン役のジム・カヴィーゼルはこの作品を観た時は全然知らなくて、てっきりうっかりビリー・クラダップかと思ってマシタ。似てる。まぁそれはおいといて。

KOROは家族愛ものに弱いのです。なので1人でしか観ない。号泣しますから。涙も盛大だが、鼻水も盛大。もうぐしゃぐしゃになって泣きますから。大の大人がおんおん声を上げて号泣するので、他人様には見せられないのデス。1人でこっそり号泣。ロンリー号泣。

しかし、なんの予備知識もなく観たのですが最初は父を亡くした男が時空を越え、父と触れ合う感動モノなのかと思ったら、しっかりサスペンス要素も絡んでくるし!ハッピーエンドなのかと思ったら、タイムパラドックスによって悲しい事件が起こっちゃったよ!だし。次々と起こるトラブルをその都度、解決して安心させておきながら、またひっくり返す。そしてその塩梅が絶妙。いいですねぇ。こんな映画があったんですねぇ。意外と知られてないのが残念無念。

色んなテーマをあれやこれやと詰め込んでいながら、決してごっちゃにならずうまく纏めていて、なおかつストーリーにひねりが効いてマス。タイムパラドックスな要素部分はけっこうツッコミどころはありますが、それを補って余りある秀逸な脚本、父子愛を軸に展開するファンタジー要素に殺人事件を追うサスペンス要素が実によい具合に絡んでいて、序盤からクライマックスまでホントに目が離せない。オススメ。
2000年/アメリカ/117分/監督:グレゴリー・ホブリット
FREQUENCY
2008.02.06記

「財布」
アイ★ラブシネマTOPに戻る