アイ・アム・レジェンド

地球最後の男に希望はあるのか。

リチャード・マシスンの小説「地球最後の男」の3度目の映画化。

2012年、ニューヨーク。廃虚と化したこの街で元アメリカ陸軍中佐で科学者でもあるロバート・ネビル(ウィル・スミス)は3年もの間、愛犬サムだけを家族として生きていた。動物園から逃げ出し野生化したインパラを狩り、セントラルパークでとうもろこしを育て、一日も欠かさずに生存者に向かって無線で呼びかける日々。「私の名前はロバート・ネビル。もし生き残っている人がいたら応えてくれ。食料と安全を保障する。キミは独りじゃない」…彼は地球規模で発生したウィルス感染により、世界の人口のほとんどが死滅していく中で生き残った、ニューヨークで、そしておそらくは世界でたった一人の人間だったのだ。


びっくらこいた。公開からかなり経ってDVDで鑑賞したのになんの予備知識もなく観た。「地球最後の男」のリメイクとは知らんかった。隕石の衝突とかで人類が死滅した地球でたった一人で頑張るマッスル男の冒険譚だと思って観てしもうた。おかげですごく新鮮な気持ちで鑑賞は出来たワケですが。ダー○・シー○ーが暗闇で輪になって「ハッハッハッ」とやってる登場シーンに大ウケしましたよ。つ〜かアンタら、動きが高速すぎ。オリジナル版ではもっとモッサリ動くと聞いてたんだが。主人公もアクティブじゃなくて大抵は家に閉じこもってる設定と聞いてたんだが。なによりウィル・スミスが科学者には見えねぇよ。いや、相変わらずセクシーであることには違いないが。デモ、科学者役はちょっと違うんじゃないのかと。科学者っつたらジェフ・ゴールドブラムの方が適役なんではないのかと。ゴールドブラムが科学者じゃ○○なんか一生かかっても完成しねぇよ!とんでも研究とかしそうだよ!ついでに興行的にも客が呼べねぇよ!←失礼

え〜と。ニューヨークの街の人っ子一人いない荒涼とした風景には驚きデシタ。3年であんなにマンハッタンが草ボーボーになるのかは疑問だけど。序盤は何故、ネビルがたった一人で生きているのか皆目、見当もつかずに話が進んでいく。彼が見る夢や回想で過去に起こった悲惨な出来事の断片が判るワケですが、これが非常に思わせぶり。一体全体ナニが起こったんだ?ネビルは何故、暗闇を恐れるのか?狩りの最中にサムが廃虚と化したビルの中へ入るのを必死に止めるのは何故なのか。なんであんなに脂汗をたらしてガクガクブルブル震えながら、サムを呼び戻そうとするのかと思ってたら、アナタ。ダー○・シー○ーさんが登場ですよ!いやぁ、かなり驚いた。ホラー不感症のKOROだけど、あの登場シーンにはうっかりしっかりヤラれた。

公開時にバンバン流されたCMでは「地球上でたった一人残された男と愛犬の感動物語」みたいに宣伝されてたので、劇場に足を運んだ人はびっくらこいただろうね。クリスマス・シーズンにラブラブ気分で観に行ったカポーがワンサカいたと思うんだが、「なんじゃこりゃ!」とかなりの数のカポーが絶叫したんじゃないのか疑惑発生。ラブラブモードに激しく水を差す展開ですから。ミーだったら大喜びですけどね。

幸せな生活、愛する家族を失い、たった一人で生き抜く男ネビル。現在の状況を打破するために研究に心血を注ぎ、生存者に呼びかける日々。そして陽が落ちるとナニかに怯えるように家中の窓にシャッターを下ろし、震えながら朝を待つ。ミーだったら瞬時に発狂ですよ。戦闘機の上でゴルフなんかしないでダイブしちゃいますよ。ところがどっこい。我らがネビルは愛犬サムと○○○○の発見を心のよりどころとして孤独に頑張るワケだ。未来に強い希望を抱くネビルの必死の思いに涙腺がやや緩む。しかしサムちゃんには負ける。この子がすごい役者でねぇ。かなりの量の涙を搾り取られマシタよ。

展開的には序盤は色んな意味で心が折れそうな状況を丁寧に描いているので、無人化したニューヨークを舞台に繰り広げられるネビルの行動にリアリティが感じられるし、緊張感たっぷりなんだけど後半部分で○○が突如として登場する辺りからは失速。アンタ、地球○○の○じゃないし。ラストもなんだかなぁ。タイトルと激しく矛盾しとるやないか。そしてネビルの必死の呼びかけはムダだったのかと思うと例えようのない絶望感が漂いますよ。ヒドい。

SF作品としての観点からいくとツッコミどころ満載なのも不満な点。ネタバレになるので詳しく書けないが、鹿には○○しないのに犬には○○するのかよ!とか。フツーのヒーローもの然としたエンディングも減点ですが、サムちゃんの愛らしさとウィル・スミスのセクシーさ、荒涼としたニューヨークの街並みを観ることが出来たのはヨカッタかも。デモ、オリジナルの「地球最後の男」のエンディングの方がやっぱり好きだなぁ。
2007年/アメリカ/100分/監督:フランシス・ローレンス
I AM LEGEND
2009.03.05記

「とっておきのベーコンだったのにッ!」
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