“アイデンティティー”

ここに集まったのではない。ここに集められたのだ。

ある時、ある場所で。精神科医が録音したテープを聞いている。「アパートの住人6人を殺したのはキミか?」─患者は殺人犯で死刑が確定していた。しかし死刑が決行される前夜、囚人が書いた日記が見つかる。その日記は意図的に隠蔽されたと囚人側の弁護士が主張した為、再審理が行われることになる。再審理の為に移送される囚人。日記の内容とは?死刑を中止させるだけの事実がそこにはあるのか?

やはりある時、ある場所で。激しい雨が降り続く夜、寂れた街道で交通事故が起こる。加害者のエド(ジョン・キューザック)は、近くのモーテルに助けを求めるが、豪雨で電話は不通。道路も冠水し、行く手を阻まれてしまう。仕方なくモーテルに引き返し、天候の回復を待つことにするエド。モーテルには、同じように立ち往生した10名の男女。エドの雇い主の元女優キャロライン(レベッカ・デモーネイ)、事故の被害者のアリスとその夫ジョージと息子のティミー、娼婦のパリス(アマンダ・ピート)、新婚のルーとジニー、囚人と刑事(レイ・リオッタ)。そしてモーテルの管理人ラリー。互いに見ず知らずの彼ら。しかし、それぞれが何か秘密を抱えているようだった。やがて雨に閉ざされたモーテルで、1人また1人と謎の死を遂げてゆく。殺人、事故…。死体の傍らにはモーテルの鍵が10、9、8と彼らの死をカウントダウンするかのように置かれていた。犯人は誰なのか?目的は何なのか?


騙されたのか?オチがそんなのだったら何でもアリだろと思った。反則ギリギリですなぁ。デモ、楽しめた。冒頭の精神鑑定のシーンは少々退屈だったけど、10人がモーテルに集まるシーンがかなり面白い。時間軸をずらして細切れに見せるのって、ミーはあまり好きではないのですが、これは見せ方がなかなか秀逸。アリスが車に轢かれるシーンは「ファイナル・デスティネーション」かと思いましたヨ。そして偶然から同じモーテルに集まったはずの男女が次々とお亡くなりになっちゃいます。殺人、事故。次々と死んでいく宿泊客。みんなが極限状態に陥った時に起こるもう1つの奇怪な出来事。犯人は誰なのよ!何故に殺されちゃうのよ!そして○○が○○ちゃうのはどういうワケなのよ!KOROちゃん大興奮。そして、え?まさか、まさかぁ〜ッ!

…それはないだろ。この作品でジョン・キューザックが何故かステキに見えちゃったミーにとっては違う意味で衝撃的なオチでしたヨ。で、反則気味だなぁと思いつつ観てたら、もう1つオチがあったり。あらら。まぁ確かにちょっと観客が納得出来るか否か微妙なエンディングですが、設定も見せ方も上手かったので可。要は観ている間、楽しめたか、どうかってコトなので。ミーは充分楽しめマシタ。

オカルトなのかミステリーなのか全然掴めないストーリー展開もヨカッタですが、キャストもなかなか。まぁ〜レベッカ・デモーネイお久しぶりねぇ、ちょっと老けてたから誰だか判んなかったわよ?と思ってたら、あっという間に死。見事な死にっぷり。もう少しお色気シーン見せて欲しかったなぁ。ジョン・キューザックは特に好きでもなかったし、あまり作品は観てないんですが、惚れたね。彼の眼差しにフォーリン・ラヴですヨ。しかし、遠目で観ると彼がケヴィン・スペイシーに見えてしまうKOROは目が逝っちゃってマスか?レイ・リオッタはあるシーンでアレ?と思ったら、やっぱりそういう役柄ですか。囚人ロバート役のジェイク・ビューシィの面構えにますますパパに似てきましたなぁと思ったり。

名作とまでは言えないケド、各所に散りばめられた伏線を何度か再見して確認したくなる作品デシタ。
2003年/アメリカ/90分/監督:ジェームズ・マンゴールド
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「5月10日」
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