横溝正史の同名小説の映画化。信州の旧家、犬神家に次々と発生する奇怪な連続殺人事件に挑む金田一耕肋の活躍を描く。
昭和23年、冬。日本の製薬王と呼ばれた信州の犬神財閥の創始者、犬神佐兵衛(三国連太郎)が一族の見守る中、息を引き取る。皆の関心は佐兵衛の遺言状だが、その発表は長女・松子(高峰三枝子)のひとり息子・佐清の復員を待ち、遺族全員が揃ったところで執り行うという条件だった。そして佐兵衛の死から数ヶ月後。ようやく佐清の復員の知らせが届く。同じ頃、金田一耕助(石坂浩二)も犬神家の顧問弁護士の若林に依頼され、信州を訪れていた。若林は遺言状が発表されることで恐ろしい事件が起こると予期しており、その調査の為に金田一を呼び寄せたのだった。しかし金田一と会う前に何者かによって若林は毒殺されてしまう。
遺言状発表の日。復員した佐清を見て一族の者は驚く。彼は白い不気味なマスクを被っていた。戦争での負傷により、顔が焼けただれ為に特別にあつらえたマスクだと話す松子。佐清の姿に息をのむ一族の者たち。そんな異様な光景の中、佐兵衛の遺言が発表されるが、それは遺族を血を血で洗う争いに駆り立てるかのような異常な内容だった。そして皆が佐兵衛の莫大な遺産を巡り、疑心暗鬼の中、猟奇的な連続殺人事件の幕は切って落とされた…
「スケキヨ!」子供の頃はあの湖の中のサカサマ死体に恐怖しましたヨ。菊人形なんてトラウマものですよ。家族で花の遊園地“かしいかえん”に遊びに行った時に菊人形があり、それを見た途端「ンギャァァァ〜ッ!」と叫び、卒倒した経験がありますよ。今観ると、そんなにコワクないですが。菊人形のシーンも思いっきり作り物って判るし。再鑑賞しての驚きは地井武男が若いッ!てコトでしょうか。そうか、彼が菊人形だったのか。スケキヨの白いマスクも「そんなムレそうなマスク着けんでも…」と思ったり。おこちゃまの頃はあんなに怖かったのに、ご老体となった今ではのんびり鑑賞出来ました。人間、いつまでもピュアなハートを持ち続けたいですなぁ(遠い目)
あら、全然感想になってないわ。あらヤダ。そうですねぇ〜、高峰三枝子の演技が凄まじいですねぇ。女の業を感じさせますなぁ。島田陽子もまだまだ可憐ですねぇ。しっかり、おっぱいなんかも披露ですねぇ。興味ないですが。KORO的に一番怖かったのはスケキヨでも菊人形でもなく、川口晶演じる小夜子が佐智の死にショックを受け、ガマ蛙撫でてるシーン。怖すぎる。
子供の頃はホラー映画という認識しかなかったのですが(あまりの恐怖にほとんど画面なんて観ないで泣いてたのが正解)、角川書店が映画制作に乗り出した第1回作品ということもあってか、非常に丁寧な作りです。しかもお金がかかってる。最近の邦画では考えられない豪華さです。それに複雑な原作を2時間半にうまく纏めてマス。映像も美しい。個人的にはTVシリーズの金田一耕助モノが一番原作の雰囲気を忠実に再現してたと思いますが、この作品の飄々とした石坂浩二の金田一耕助もなかなかイイ。
1976年/日本/146分/監督:市川崑
犬神家の一族