O(オー)

僕は……失敗作なのか?ふりだしに戻る運命の輪

シェイクスピアの「オセロ」を現代に置き換え、高校のバスケットボール部を舞台にして描く悲劇。

アメリカ南部の名門私立高校。バスケットボール部に所属するオーディン・ジェームズ(メキ・ファイファー)はキャンパスでただひとりの黒人学生だったが、プロ入りを約束されたチームの花形選手であるばかりか、成績も優秀。しかも学長の娘で学園のマドンナ的存在であるデジー(ジュリア・スタイルズ)と熱々の仲。チームの名コーチであるデューク(マーティン・シーン)もそんな彼に目をかけていた。リーグ戦で大活躍し、最優秀選手の栄誉に輝いたオーディンに「キミを自分の息子のように愛している」と告げるデュークの言葉が彼の一人息子でやはりバスケット・ボール部に所属するヒューゴ(ジョシュ・ハートネット)の心に突き刺さる。「何故、僕じゃないんだ」

自信に溢れ、皆の憧れの視線を一身に浴びるオーディンにヒューゴだけは、いつも暗い嫉妬の炎を燃やしていたのだ。父の自分を蔑ろにしたかのような言葉が燻り続けていたヒューゴの邪悪な心に火をつける。オーディンを破滅させてやるッ!全てを奪ってやる!ヒューゴの暗黒陰謀作戦がはじまる。


え〜、この作品を観たのは2005年くらいだったような気がするのだが。どうして2009年まで寝かせとくかなぁ。だって内容が小粒過ぎて観終わった後に瞬時に忘れちゃいましたから。ジョシュ・ハートネットのダークサイド満開の演技はヨカッタと思うんだが、完璧といってる作戦があれよあれよと崩れていくのはいかがなものか。「オセロ」の現代学園版とのことですが、それにしては悲劇というよりも安っぽいサスペンス・ドラマ風になってるのは残念。人間のエゴ、業や情みたいなのが描き切れていなかったと思う。だから妙に薄っぺらい印象しかないんだなぁ。

展開も盛り上がりに欠ける。つ〜かヒューゴの陰謀は隙がありすぎだよ。どうして周りのみんなは何の疑問も抱かずにヒューゴが張り巡らせる策略にいとも易々とはまるかなぁ。アンタら、もうちょっと頭を働かせろ!と軽くツッコんでしまいましたよ。

キャスト陣はジョシュ以外は表現力に乏しく、それぞれの心理状態が見えてこなかったのも、この物語の悲劇性を希薄にしている要因かと思いマス。オーディン役のメキ・ファイファーもKORO的には魅力薄い。第一、バスケチームの花形にしちゃ小柄すぎねぇか?それと学園一の美女役を演じているのはジュリア・スタイルズ。ウソだろ、おい。KORO的にはこの配役がかなりの悲劇でしたわ。

ラストはなんとも後味が悪い。最後まで○○に顧みられることのない彼があまりにも哀れ。
2001年/アメリカ/95分/監督:ティム・ブレイク・ネルソン
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2009.03.11記

「鷹と鳩」
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