アンブレイカブル

真実を知る覚悟はあるか?

フィラデルフィアに住むデヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)は元アメフト選手。しかし交通事故が元で現役を引退し、今はスタジアムの警備員をしていた。妻のオードリー(ロビン・ライト・ペン)とはもう何年も前からうまくいっておらず、彼は新たな生活のためにニューヨークに職探しに出かける。だが、その帰りに乗った列車が追突事故を起こし、乗客131人が死亡するという大惨事となる。そんな中、たった一人生き残ったデイヴィッドはかすり傷ひとつさえ負っていなかった。何故、自分はかすり傷ひとつも負うことなく助かったのか。その答えが判らぬまま不安な日々を送るデヴィッド。

そんな彼にある日、一通のメッセージが届く。「あなたには特殊な能力がある」と書かれた謎のメッセージ。デヴィッドはその送り主であるイライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)を訪ねるが、イライジャの口から語られる言葉はにわかには信じ難いものだった…


「シックス・センス」コンビ再び。ミーは意外とブルース・ウィリスが好きなのよ。彼のイケてないハゲっぷりを偏愛してたりするのよ。名優ではないが、いい俳優だと思うよ、あのおっさんは。ついでにシャマランもキライじゃない。真摯な態度でしょうもないコトを大袈裟に見せるシャマランマジックがけっこう好きなのよ。というワケで張り切って映画館へGO。デモ、はじめて観た時は正直、期待を裏切られたといいますか、そういう結末?ってカンジだった。

この作品。アメコミに詳しくないと、ちょっと理解しがたいかも。最初は単に事故の話でそこから予想だにしない出来事が起きちゃうのかと思ったワケですが。ある意味、予想外ではあったが。予想外過ぎて口ぽか〜ん状態になったよ。この作品は「シックス・センス」と違って賛否両論がはっきり分かれるだろうなぁと。「そうか!」と頷く人と、「ふざけんな!」と怒ってしまう人。日本人にはちょい厳しいかも。実際、ミーも「そういうオチかよ!おとといきやがれ!」と軽くキレましたよ。チケット代は一緒に観に行った友人に出してもらったので「映画代返せゴラァ!」とまでは思わなかったケド、おごってくれた友人はかなり怒り心頭に達しておりマシタ。

しかし。映画館で鑑賞して数年後。DVDレンタルで再鑑賞してみた。自分の存在意義が見出せずにいるデヴィッドをブルース・ウィリスが好演していて泣いた。イライジャ役のサミュエル・L・ジャクソンも何故、イライジャ役が彼なのか?っていうのが最後の最後で納得出来た。あの髪型には吹いたケド。

ワンシーン・ワンカットに長回しを多用する撮り方は最近のハリウッド的映画ではないかなぁ。緊迫感はあるけれど、少しメリハリには欠けたかも。デヴィッドの息子が○○○するシーンでは尋常でない緊張感が出ててヨカッタと思う。シャマランの偏執的なまでの観る側に罠を張る語り口や、撮影の仕方に頭が下がるよ。変な方向に向かってはいるが、根は大真面目な人間なんだろうなぁ。今後もこのスタイルを貫くのは大変だろうが、ガムバレ。脚本も台詞の一つ、一つが全て伏線になっていて、丁寧に作られてたと思う。

エンディングのクレジットは個人的には不要。アレがあることで、なんだかラストが普通の映画になってしまった気がする。

シックス・センスを意識せずに観ると意外に深くて面白い映画かも?
2000年/アメリカ/107分/監督:M・ナイト・シャマラン
UNBREAKABLE

「サミュエル・L・ジャクソンの寝癖一歩前の髪型にも意味アリらしい」
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