かつて、アメリカの歴史を揺り動かした男たちがいた。
1930年代のシカゴを舞台にマフィアのボス、アル・カポネと彼に立ち向かう若き財務官の戦いを描く。
1930年、9月。財務省のエリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)がシカゴに特別調査官として派遣されてきた。世は禁酒法時代。シカゴでは密造酒ともぐり酒場は10億ドル市場といわれ、マフィアたちの縄張り争いは次第にエスカレートし、市民の生活を脅やかしていた。なかでもアル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)のやり方は徹底して凄まじく、シカゴの影の支配者として君臨していた。
カポネ逮捕の使命感に燃えるネスだが、警察の上層部にも通じているカポネには迂闊に手を出すことは出来ない。ネスはジム・マローン(ショーン・コネリー)、ジョージ・ストーン(アンディ・ガルシア)らの“アンタッチャブル”(賄賂の通じない、脅しに屈しない者)と共にカポネ摘発に向け、行動を開始するのだが─
ケヴィン・コスナーが若いッ!カッコイイ!それに尽きる。ストーリー自体は以前、観た時は非常に面白く感じたのに再鑑賞したらそれほどでもなかった。何故に?ミーが荒んだということでしょうか?スレたってことでしょうか。“オデッサの階段”シーンも特に緊迫感を感じず。赤いマッチのシーンの方がよっぽど印象に残った。それとネス達が着ているスーツがオシャレだなぁと思ってたら、アルマーニですか。アンタ達こそ賄賂貰ってたんじゃないのか疑惑発生。まぁ、それはともかく。
ネスを助けるマローン役のショーン・コネリーも渋くてセクシー爺好きのハートを激しくノック!ノック!しますが、やはり光ってるのはカポネ役のデ・ニーロ。頭の話じゃないわよ。演技よ、演技。髪の毛まで抜いて禿げ上がってマス。でっぷり太ってます。アンタやりすぎ。チームワーク!チームワーク!思い切りバットを振りぬくッ!血の晩餐。強烈ですなぁ、悪役の方が主役よりも華がありますなぁ。二枚目度では断然コスナーに軍配が上がりますが、灰汁がなさすぎ。髪の毛はあるケド。現在のイケてないハゲぶりからは想像出来ないほどの伊達男ぶりは文句のつけようがナイです。しかし、デ・ニーロの強烈演技の前では霞む。コスナーの見せ場はネスが怒りのあまり、カポネにケンカふっかけるトコぐらいか。
最初に観た時に打ち震えたマローンがネスを叱りつけるシーンもその直前のカメラワークの視点に戸惑いを感じて、緊張感を削がれた。ラストもあっけない。パラマウント映画創立75周年を記念して製作された大作の割には意外と地味で薄味。ケヴィン・コスナーの豊かな毛髪が観たいという方はどうぞ。
1987年/アメリカ/120分/監督:ブライアン・デ・パルマ
THE UNTOUCHABLES