火星人の侵略を描いたH・G・ウェルズの原作を映画化した名作SF映画。
ロサンゼルス近郊。ある夜、突如として落下してきた大量の隕石。その隕石の正体は火星人によって送り込まれた戦闘兵器だった。同じ頃、地球の各地にも同様のUFOが着陸。あらゆる物体を焼き尽くしてしまう熱線を持ち、電磁バリアで身を固めるそのUFOに地球人は為す術もなかった。UFOの調査を依頼された物理学者クレイトン・フォレスター博士(ジーン・バリー)だったが、地球上のどんな武器を持ってしても彼らを打ち破ることは出来なかった。やがて廃墟と化していく世界。暴徒化していく民衆。果たして人類の危機をくい止める術は見つかるのか?
トムちん主演のリメイク版「宇宙戦争」ではありません。悪しからず。何故、悪しからずなのかは不明。まぁ気分、気分。なんか前評判がいまいちだったので見逃したのよねぇ。労働者役のトムちんって、なんかイメージ湧かないしねぇ。というか、スピルバーグの「宇宙戦争」より「アウターリミッツ」を監督したバイロン・ハスキンの「宇宙戦争」の方が興味津々なのよ!すんばらしいCGとかなくてもいいのよ!ということでサクっとオリジナルを観た。
冒頭から釘付け。ドキュメンタリー風のオープニングにドキがムネムネ(古い。でも、最近好きなフレーズ)ですよ。そして空から降ってくる何千もの隕石。なんだ、なんだと物見遊山な人々。アンタら、少しはパニくれよとか密かに思ったり。んが、しかし!そんなお気楽ムードの地球人に対して情け容赦のない火星人の攻撃。即座に熱ビーム!前置きもなにもなく即、熱線。○戯ナシですぐ本番かよ。あ、エイのような形をした戦闘兵器・ウォーマシンのデザインが秀逸。そりゃ、今見ればへっぽこデザインに見えかねませんが、いやいやどうして。なんかちょっとエロティックなんだな、これが!え、別になんでもエロに関連付けようとかしてマセンよ?ホントに妙に色っぽいデザインなんだってば!
ヒロイン役のアン・ロビンソンもなかなか美しい。現実を直視して戦っていこう、どうにかして生き延びようみたいな気概は感じられんケド、まぁ製作された1950年代の女性の描き方ってあんなカンジなのかも。ストーリー中盤でフォレスターと乗り込んだ飛行機が不時着して農家に逃げ込むシーンで彼女が作る目玉焼きが妙に美味しそうに見えた。そしてそんな光景を覗き込む不気味な影。はい、火星人さん登場だ。「んぎゃぁぁぁ〜ッ!」みたいな。フォレスター、必死に戦うみたいな。
どうにか火星人さんの眼の一部と血液をゲットして逃げ出すことに成功。そしてそれを研究材料として火星人に対抗する術を見つけ出そうとするワケですが、そのチャンスはあろうことか○○によって○○○○という展開や、クライマックスの教会でのシークエンスがSF映画という範疇をこえ、宗教的というか。なんともいえない終末観を醸し出しておりマス。1950年代の作品ながら、映像は美しいし、単なる宇宙人侵略モノで終わってないラストも見事。
1953年/アメリカ/85分/監督:バイロン・ハスキン
THE WAR OF THE WORLDS
2008.05.13記