炎よりも激しく燃える愛と青春に命をかけた兄と弟
消防士兄弟の葛藤と日々火災と戦い続ける男たちを描く。監督はロン・ハワード。
幼い頃、消火作業中に殉職した父(カート・ラッセル)の死を目の当たりにしたブライアン(ウィリアム・ボールドウィン)。彼は職を転々とした末に故郷のシカゴに新米消防士として舞い戻ってきた。だが彼が配属された第17分隊の隊長は兄のスティーヴン(カート・ラッセル2役)だった。着任早々、火災現場に向ったブライアンは、そこで兄スティーヴンのヒーロー的な活躍を目にする。兄に負けたくない、そんな思いから訓練に励むブライアン。その頃シカゴでは爆発放火事件が続発。バックドラフトと呼ばれる逆気流現象を伴う、それは炎を性質を熟知した人間の仕業と考えられた。
きゃぁ、主役2人が濃すぎるわよ!兄がカート・ラッセルで弟がウィリアム・ボールドウィン?濃厚だ。胸焼けしそうだ。幼少時のKOROは男臭さムンムン大好き症候群に罹っており、チャールズ・ブロンソンやバート・レイノルズという男性ホルモン異常過多なおっさんを観ると異常に興奮しておりまして、将来が危ぶまれていたワケですよ。まぁそんな危ないおこちゃまKOROも無事に成人して、年波が寄るだけ寄りまくった現在に至ってはキレイなお姉さんを見ると「ぽっぽ〜!」と叫びたくなり、セクシーじじいを拝んだら、拝んだでこれまた「ぽっぽ〜ッ!」と激しく雄叫びをあげるキレイで怖いお姉さんとセクシーじじいの為なら死ねるッ!症候群の罹患者となってたり。まぁそういうシンドロームがあるかどうかは不明ですが。とにかく男盛りだぜ!セックス・アピール満点だぜ!みたいな男はご老体KOROには濃くて胃酸過多になっちゃうんだよ!そんなカンジなので、この作品観た時は冒頭から胸焼け気味。
いや、作品は面白いんだけどね。大作なんだけど、全体に漂うクサさ具合がたまらなくミーのハートを刺激するワケです。クッサ〜!とか言いながら身悶えしつつ観る、この快感は大人にしか判らない感覚なのよ?決してミーが歪んでるワケぢゃないのよ?デモ、個人的にウィリアム・ボールドウィンのニヤケ顔は苦手。カート・ラッセルはB級映画に出てる時は好き。彼のアカデミー賞なんて一度も意識したコトがないよ?ってカンジが好き。「エスケープ・フロム・L.A.」とか「遊星からの物体X」とか。あ、ただ単にジョン・カーペンター作品が好きなだけなのか?まぁヨイ。
というか、まだ全く作品に触れてないわよアナタ!濃いおっさんは苦手だがちょっと危ないおっさんは大好きなKOROにとってこの作品は実はけっこう美味しい作品だったりするのよアナタ!だってロバート・デ・ニーロ出てるし!ドナルド・サザーランド出てるし!スコット・グレンも出ちゃってるのヨ。うっとり。
あ、いいかげん作品の感想を書かなきゃ。バックドラフトすごいねぇ。炎が生きてるようだねぇ。デモ連続放火犯を追うミステリ部分はほんのおまけなのですッ。この作品の真のテーマは兄弟愛なのですッ。勇敢な行動で次々と火災現場で活躍する兄は父の死の現場にいなかったという悔恨の念から、そういう行動を取ってるワケですよ。いつも彼は苦悩してるのです。そして弟は弟で兄を越えられないコトに悩んだり。実は深い愛情を抱きあってるのに心ならずも反目する兄弟の確執と和解がこの作品のテーマなのです。う〜む、感動的。デモあの2人が兄弟ってコトでKORO的には感動的に胃酸過多な上に酸欠状態に陥った作品でもあるワケですが。監督がロン・ハワードなせいか、そこかしこにクサさが感じられるのも胸焼けの一因?
異常に耳から離れないテーマソングも聴く人によっては「さぁ泣け!ホラ泣け!感動するだろ!泣いておしまいッ!」と感じられるかもしれません。クサイなぁと思いつつ、ラストのシーンはけっこうジ〜ンとしたり。あぁ、まだミーの心は荒みきってはいないのね、神様!といったカンジでホロリと涙を流しマシタ。
濃い兄弟愛が好きだ!渋いおっさんも大好きだ!ロン・ハワードのとんでもなくクサい演出をこよなく愛しておる!という方にはオススメです。
1991年/アメリカ/136分/監督:ロン・ハワード
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