その大切さに気づいたのは、最期のときだった。人生なんて、まるでお伽噺さ。
エドワード・ブルーム(アルバート・フィニー)は奇想天外で不思議なお伽噺を語ることで有名な人物。未来を予見することの出来る魔女、一緒に旅をした巨人、人を襲う森の奥に潜む美しい町。彼が語るストーリーに誰もが楽しく幸せな気分に浸った。息子のウィル(ビリー・クラダップ)を除いては…
ジャーナリストとして活躍するウィルは出産間近の妻、ジョセフィーン(マリオン・コティヤール)とパリで幸せに暮らしていた。ウィルの結婚式の夜、彼は父と激しく口論した。ウィルが生まれた日に釣った巨大魚の話しで宴に集まった人々の注目を集めたエドワードに今日の主役は父さんじゃない!と激しく訴えるウィル。それ以来父と息子は母サンドラ(ジェシカ・ラング)を通じての間接的な交流しか持たなくなった。しかし、ある日サンドラから父が倒れたとの知らせを受け、妻と共に故郷へと向うウィル。
久しぶりに戻った我が家。父は1日の大半をベッドで過ごしていたが、少しでも体調が良い時は相変わらずかつての冒険話しを語っていた。ウィルは「善人でも悪人でもいい。ホントの父さんの姿を見せて欲しい」と長年の想いをぶつけるが、親子の気持ちはすれ違ったまま。そしてお互いに歩み寄れないまま、エドワードの容態が急変し…
うわ〜ッ!ティム・バートンに泣かされたよ!泣けるとは聞いてたケド、ホントに泣かされたヨ。何故か泣いたというより泣かされた感満載なのは何故?悔しいのか?まぁ誘ってくれた友達は涙モロいと思われたので「ウシシ、ヤツが泣いたら映画館だろうが知ったこっちゃナイわよッ。激写しちゃル」と、もし見つかったらつまみ出されるコト必至な悪巧みを密かに企てていたワケですが、見事にKOROの方が先に泣きました。途中からもうそれはボロボロと。若き日のサンドラが窓を開けると一面の水仙の花!というシーンでまず泣いた。もう若かりし頃のエドワードとサンドラの恋物語にヤラレました。
エドワードがバスタブに浸かってるトコへサンドラがやってきて服のままバスタブに入り、抱き合うシーン。号泣。あ、思い出してだけで泣けてきた。え、そこは泣くポイントじゃないだろって?否ッ!号泣ポイントですよッ!堅実で現実的なサンドラが夢想家のエドワードの全てを受け入れ、今も愛し合っているというのが伝わってきて泣けた。そして今まさに死に近づいている夫という受け入れがたい現実に締め付けられる思いのサンドラの心情が伝わってきて大いに泣いた。鼻水出ようがお構いなし。マジ泣けるって。
ウィルはお伽噺ばかり語ってる父にうんざりしてるワケですが、ミーはこんなパパ大好きですヨ。荒唐無稽かつ奇想天外な話と現在の話が交錯して、どこまでがホントか徐々に判んなくなってるトコなんて、アナタ!絶妙ですわよ!巨人との旅、不思議な町スペクターでのひとときの出来事。素晴らしい。しかしサーカスの団長のトレーラーがガッコンガッコン激しく動いてるシーンではあらぬ想像をしてしまいマシタよ。「GO!ラス、GO!状態なのか?」とか←あらヤダ。まさかそんなオチとはねぇ。
あ、父役のアルバート・フィニーと若き日のエドワードを演じるユアン・マクレガーがあんまりホラばっかり言ってる人物に見えない気がしなくもないですが、特に不満ナシ。まぁユアンがお尻を見せてくれなかったのがちょっぴり不満だけど(おバカ)。脇を固めるヘレナ・ボナム=カーターやスティーヴ・ブシェミも変な役がピッタシでした。しかしジェニファーって子供の時はあんなに可愛かったのに大人になったら、何故か少々危ないカンジ。あの妙な髪形のせいか?ジェシカ・ラングは美しかったケド老けたなぁ。あ、55歳?マジで?
彼女を観ると幼少の頃に従姉に連れられ「女優フランシス」を観た時の辛さが蘇り、どうしても彼女を冷静に見れないの。子供に「女優フランシス」観せるなんて、トラウマものですよアナタ!…まぁおばちゃんになったジェシカ・ラングは冷静に見るコトが出来ました。ハッ!もしかしてミーがおばちゃん化しており、あの苦い思い出さえ思い出せないほど脳が老朽化しているとか?←有り得る。まぁそんなコトはどうでもヨロシイのよ。とにかくファンタジーかつ家族物語なのよ!←ムリヤリまとめようとしてるなぁ。
ラストは意外と泣けなかった。川のシーンで終わりでもいいんじゃないのって思った。まぁミーが涙腺を刺激されるポイントはどうもズレてるようなので気にしないでクダサイ。自作のお伽噺で愛情を伝えようとするエドワード、正反対の性格ながら父の愛を求める息子といつまでも変わらぬ愛を注ぐ妻のちょっと変で、デモじんわりと心に響く家族の物語。ティム・バートンがキライという方でも抵抗なく鑑賞出来るかと思われます。
2003年/アメリカ/125分/監督:ティム・バートン
BIG FISH