バウンド

「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟による初監督作品のフィルムノワール。

5年の刑期を終えて出所した泥棒のコーキー(ジーナ・ガーション)はマフィアのビアンキーニの伝手でアパートの一室を改装する仕事に就く。隣の部屋で暮らすのはマフィアのシーザー(ジョー・パントリアーノ)とその情婦のヴァイオレット(ジェニファー・ティリー)。アパートのエレヴェータで出会ったコーキーとヴァイオレットは互いに一目惚れし、関係を持つ。

ある日、シーザーとの関係に耐えられなくなったヴァイオレットはコーキーにシーザーが預かった200万ドルを奪い、逃げようと持ち掛けるのだが─


レズ映画だす。お姉ちゃん2人がガチンコで絡み合ってマス。ただし序盤だけな。エロは序盤にッ!掴みはおっけ〜ッ!みたいな。脳内がほぼエロで埋め尽くされておるKOROはこの掴みに完璧にハマリましたわ。いや、ミーはノンケですが。ストレートですが。ヘテロセクシャルですが。←クドい。ミーの性愛嗜好はどうでもヨイ。エロだ、エロ!エロ持ってこ〜いッ!

気を取り直しまして。え〜、この作品。決してレズを描いてるだけの作品ではございマセン。あくまでも掴みというか、きっかけというか。恋愛映画ではなく、当作品はサスペンス映画。2人がマジレズだったからこそ成し得る計画とでも申しましょうか。中盤以降はエロシーンはほぼナシ。その代わりにタイトなストーリー展開が待ち構えておりマス。まぁこれがなんともいえんテンポのよいサスペンスぶり。カメラワークもいいし、脚本の妙も味わえるオイシイ作品ですよ。劇中に何度も出てくる血の滴るシーンがどれも見せ方が工夫されてて、なんとも印象的。

脚本やストーリー展開もイイが、主役2人が実に魅力的。最初はアヒル口がチャーミングなジーナ・ガーション演じるコーキーのカッコ良さに目を奪われたが、ヴァイオレットもフェロモン全開でヨロシイ。カップを持つ仕種、腰掛けた時の足の位置、全ての動作が色っぽくてたまんねぇ。あの甘ったるい声もたまらんッ!あんな声で「キスして」なんて言われたら、どストレートでもキスしてまうわッ!

いかん、また興奮した。落ち着けKOROちゃん。単なるレズ映画じゃないと言っておきながら、エロばっかりに目を奪われてるエロ侍KOROを許してチョンマゲ。とにかく主役2人の色気は半端じゃない。ま、コーキーのフェロモンはあくまでも男に対してではなく女に対してのみだと思いますが。しかし、あのパンツ姿はナシだと思うぞ。ちょっとヒイた。せめて色を黒にしてクレ。ブリーフの話はおいといて。

コーキーとヴァイオレットも魅力的だが、忘れてならないのがシーザー。このおっさん、意外と頑張る。頑張っちゃうから困るワケですけど。「俺は逃げないッ」と言い切った時はちょっとだけ見直したぞ。思わず感情移入しちゃって困惑したぞ。シーザーのどんどん追い詰められながらも必死に危機を切り抜けようとするサマがあまりにも真に迫ってて、けっこう憎めないヤツに思えてきて同情してしまったのは作品的に減点かと思う。あと警官な。あんな呑気でオマヌケな警官いるのかよ。リアルティに欠けるわ。

ラストがやや弱いのも惜しい。マフィアがあんなに甘いワケないと思うんだが。ミッキー爺さん(シーザーの仲間のおっさん)は、けっこう切れ者ってイメージだったんだがねぇ。それでもヴァイオレットのいかにも「悪い女」ってカンジの微笑にしっかり魅了されてしまったワケですが。

ミー的にはラストがアレなんでフィルムノワールと呼ぶのはやや疑問ですが、濃密なエロとタイトで先が読めない展開はホントにスリル満載。オススメ。
1996年/アメリカ/108分/監督:ラリー&アンディ・ウォシャウスキー
BOUND
2009.12.29記

「盗みってセックスと同じよ」
アイ★ラブシネマTOPに戻る