リュック・ベッソンが16歳の時に思いついた物語を、100億円の巨費を投じて映画化したSFエンターテインメント超大作。
1914年、ナイル河畔。地下神殿に書かれた古代文字をアメリカの考古学者が今まさに解読しようとしていた。火・水・土・風の4つの要素に囲まれた5つ目の要素。そこへ突如、空から巨大な船体が地上に降り立ち、謎の生物が現れる。そして驚く考古学者を尻目に神殿の奥に収められた4つの要素を彫った石を持ち帰る彼ら。
2214年、ニューヨーク。謎のエネルギー体が地球に接近していた。神父コーネリアス(イアン・ホルム)はそれが地球を滅ぼす悪の生命体であること、それを撃退するにはモンドシャワン星人の持つ4つの石が必要である事を統一宇宙連邦のリンドバーグ大統領(ティニー・リスター・Jr)に提言する。しかしモンドシャワンの船は武器商人ゾーグ(ゲイリー・オールドマン)の命令を受けたマンガロワ人によって破壊されてしまう。
評議会が持ち帰ったモンドシャワン人の死体の一部から細胞を再生させると、そこに出現したのは完璧に均整のとれた肉体と碧の瞳、赤い髪の美しい少女だった。だが言語を理解出来ないその少女は研究所から脱走。追いつめられた彼女は地上450階からダイブ。元統一宇宙連邦軍の精鋭で、今はタクシー運転手のコーベン・ダラス(ブルース・ウィリス)の車に飛び込む。涙を流しながら、片言で必死に「HELP」と訴える彼女に負け、警察を振り切るコーベン。
彼女の名はリー・ルー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)。コーベンは地球上で唯一彼女の言葉が分かるコーネリアス神父の元へ送り届け、モンドシャワン人が地球を救う為に必要な4つの石を連邦宇宙系で最高の歌姫ディーヴァに託したことを知る。彼女は明日、フロストン・パラダイスというリゾート星でコンサートを行うことになっていた。評議会からの任を受け、コーベンはリー・ルーと共にフロストン星に向うが…
愛は地球を救うッ!コーベンちゃん!コーベンちゃんッ!以上、フィフス・エレメントの感想終わり。短ッ。あらすじ約800字に対して感想は30字未満ですか?そんなに中身のナイ内容なのですか?ええ、そうです。その通りです!あのリュック・べッソンが16歳の少年時代に思いついたお話しの映画化ですよ?そんな複雑かつ人間模様満載のお話しであるワケがない。愛があれば年の差なんて!愛があれば国境だって銀河系だって越えられるッ!そして必ず最後に愛は勝つ。そんなカンジ。なんだかリュック・ベッソンって単純でカワイイ奴だなぁとか思った。
内容はナイ。デモ、リー・ルーが可愛いから許す。あんな表情で「HELP」なんて訴えられたら、思わず助けるって!一目でフォーリン・ラヴだって!しかしリュック・ベッソンって判り易い人だなぁ。主演女優をどれだけ愛してるかが作品を観ると手に取るように判るというか。「ニキータ」もアンヌ・パリローにに対する愛情の発露がほとばしってて、それが「ニキータ」の面白さにつながってるような気がする。この作品もそう。ミラちゃんを愛してたのねぇ。ディーヴァの歌に合わせてミラちゃんのアクションが重なるシーンとか。あ、コーベンちゃんも良かったデス。ハゲなのにイケてますよ。ハゲしか愛せない身体に拍車がかかりそうデシタよ。ゴルチェによるデザインのオレンジ色のシャツがセクシーだし。ルビー・ロッド(クリス・タッカー)のおしゃべりもサイコーにハイテンションでヨイ。ゾーグの変な髪形、オマヌケな行動、変な汁垂らすトコも笑えた。イアン・ホルムが出てるのも嬉しい。
原色満載のビジュアルもKORO好み。リュック・ベッソンは長年温めてきたオリジナル・ストーリーと言ってたようですが、どうみても古今のSFやアクション映画を寄せ集めたような展開。デモ、大金使ってこれだけおバカに仕上げてれば微笑ましいというか。リュック・ベッソンが狙っておバカに徹したとは思えませんけどね。ラストは007か?とか思ったり。
贅沢なおバカ世界を楽しみたい時はこの作品を是非どうぞ。
1997年/フランス・アメリカ/127分/監督:リュック・ベッソン
THE FIFTH ELEMENT