「羊たちの沈黙」の続編。医学博士の肩書きを持つ連続猟奇殺人鬼とFBI捜査官の女性の対決を描く。
アメリカ中を震撼させたバッファロー・ビル事件から10年。今はヴァージニアで勤務するFBI捜査官のクラリス・スターリング(ジュリアン・ムーア)は、麻薬密売人を止むを得ずとはいえ射殺したことから、マスコミだけでなくFBI内部からも厳しい非難を浴びていた。そんな彼女の窮地に目をつけた大富豪のメイスン・ヴァージャー。かつて自分の顔をつぶしたハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)を執拗に追跡していた彼は、政界入りを目指す司法省のポール・クレンドラー(レイ・リオッタ)を利用し、クラリスをレクター逮捕の任務につける。一方、イタリアのフィレンツェでフェル博士と名乗り、司書をしながら潜伏していたレクターは、クラリスに手紙を送る。「クラリス、いまも羊たちの悲鳴が聞こえるか教えたまえ」と…
「羊たちの沈黙」は良かった。猟奇的な作品ですが決してグロイだけじゃない。クラリスとレクターの関係も高尚なカンジ。交わされる会話の質の高さ。サスペンスホラーというジャンルで珍しくアカデミー作品賞、主演女優&男優賞受賞も頷けます。原作も読んだけど、あの濃い内容をよく2時間弱の映画に纏めたなぁと思いマシタ。そして10年。「ハンニバル」公開。今回は原作読んでないし、ジョディ・フォスターが脚本読んでオファーを蹴ったとか聞いたし、ちょっと不安でした。
え〜と鑑賞後、不安的中というか。レクター博士がただのストーカーじゃないの!キモチワルイのよ!メリーゴーランドに乗ってクラリスの髪の毛を触るシーンなんて寒イボ。威厳ゼロのエロおやじに成り下がってるカンジ。なんなんなんだ。一体、この作品はなにが言いたかったのか。必殺変態仕事人レクターのお話か?腐れ権力者を変態おっさんが成敗するお話か?そりゃ違うだろ。
ゲイリー・オールドマンもあんな役でいいのか。疑問。激しく疑問。理解出来ない。レイ・リオッタもイヤだ。クライマックスのグロいシーンもそれほど衝撃的ではありませんでした。ただ単にオマヌケ。ジュリアン・ムーアは頑張ってたけど、やっぱりジョディ・フォスター=クラリスなのよね。ついでに異常に老けてる。シワ多すぎ。10年経ったとはいえ初々しい訓練生だったクラリスがここまで老けるのかよ!どんな苦労をしてきたんだよ!と余計な心配しちゃったり。唯一ジャンカルロ・ジャンニーニの存在がミーの淋しい気持ちを慰めてくれました。60近いというのに相変わらず男前。イタリア男はいくつになっても美味そうだ。パスタの食いすぎで太鼓腹になってなければの話だが。
ラストはなんだか全然決着がついてないというか。相容れない者同士のレクターとクラリス。レクターの愛にクラリスはどう応えるのかってのがテーマだったと思うのに。どうも原作とはラストが激しく違っているらしい。原作ではクラリスとレクターが○○って○○○するらしい。あんれまぁ〜ッ!スゲェな。凄まじいな。そりゃ愛だね。理解の範疇をはるかに超えてるケド。映画版はなんとも中途半端なラストなので単なるグロ映画という印象しか残らなかった。
2001年/アメリカ/131分/監督:リドリー・スコット
HANNIBAL