世界を盗め!怪盗ホーク。歴史的な遺産をナゾの組織と争奪。女と1杯のカプチーノを愛する男に、危機接近。
隠されたレオナルド・ダ・ヴィンチの発明品をめぐって展開される快盗ハドソン・ホークの活躍を描いたコメディ・アクション。
15世紀後半、レオナルド・ダ・ヴィンチは鉛から青銅を作り出す実験過程でなんと鉛を純金に変える機械を発明してしまう。この機械が悪事に使われることを危惧したダ・ヴィンチは機械に組み込まれたクリスタルを3つに分けて隠してしまう。
そして時は移り、現代のニューヨーク。怪盗ハドソン・ホーク(ブルース・ウィリス)こと、エディ・ホーキンスが10年の刑期を終えて出所した。長年の相棒トミー(ダニー・アイエロ)の店を久しぶりに訪れて、愛するカプチーノを口にしようとした瞬間、マフィアであるマリオ・ブラザース(フランク・スタローン&カーマイン・ゾーラ)の邪魔が入る。出所したばかりのハドソン・ホークに早速、盗みを強要するマリオ・ブラザース。彼らに脅迫されて渋々仕事を引き受け、首尾よくオークション会場からダ・ヴィンチ作の彫刻“スフォルツァ”を盗み出したハドソン・ホークだったが、翌日に開催されたオークションで盗んだはずの“スフォルツァ”が出品されていることを知る。不審に思った彼はオークション会場に出向くが、居合わせた謎の美女アンナ(アンディ・マクダウェル)に声をかけた直後に会場は爆発。爆発直前に現われた大富豪のダーウィン(リチャード・E・グラント)とミネルバ(サンドラ・バーンハード)のメイフラワー夫妻はどうも爆発のことを知っていたようだ。倒れてきた柱の下敷きになりそうだったアンナを間一髪のところで助けたハドソン・ホークだったが、続いて落ちてきたペガサス像に激突して失神した彼が目覚めたのは救急車の中だった。乗っていたのはマリオ・ブラザース。命からがら逃げ出したホークの前に現れたのはCIAのジョージ・カプラン(ジェームズ・コバーン)。彼もまたホークにあるモノを盗み出すことを依頼する。一体ナニがどうなってるんだ!俺はいつカプチーノにありつけるんだ!
どうも大失敗作という評判ですが、ミーは大好きですヨ。「ダイ・ハード」直後のブルース・ウィリス主演ということで、どうしても比べられるようだけどテイストが全く違うし。アクション映画として売り込んだのは間違いだったと思うわ。どっからどう見てもコメディ路線だし。あちらのハイテンションと違い、こちらは昔懐かしい泥棒コメディ。「黄金の七人」とか思い出しちゃう。ま、「黄金の七人」のようなオサレさも小粋さも持ち合わせてませんけどね。それに泥棒映画なのに盗みのシーンにこれっぽっちもスリルがない。そりゃそうだ。歌いながらだもん。なんじゃそりゃ。全編に渡ってユルいギャグ満載でこれがまたお寒いギャグなんだが、ミーのツボには見事にハマる。デブねたとか。とことんカプチーノにありつけないトコとか。観光名所巡り的な見所もあるし、メイフラワー夫婦が怪しさ満載だし、ホークのオトボケぶりがこれまたいいんだわ。確かに盗みの最中に高らかに歌うのはかなり緊張感を削ぐケド。ブルース・ウィリスがホントに楽しんで演じてるというのが伝わってくるし、相棒トミーとの掛け合いが息が合っててイイ。駄作と決め付けるのは惜しいワ。まぁミーがおバカ映画が大好物のせいかもしれマセンけどね。
ヒロイン役であるアンディ・マクダウェル。全くミーの好みじゃないわよ。どこが美しいのかさっぱりワカランわ。肌の質感がまるっきりアメリカン・クオリティで30歳前半というのに劣化が激しい。ついでに微妙に髭剃りあとがあるぞ。そんなおばはんは願い下げだ。しかし。ミネルバがいるぞ。ダーウィンとミネルバのメイフラワー夫妻がバカップルぶりを大いに発揮して笑えた。いけない写真をご披露するシーンなんてDVD鑑賞時にはコマ送りで観ちゃいマシタからね。2人が舌をベロンベロンする姿に大いに受ける。お下劣ネタが大好きですから。
CIA役でジェームズ・コバーンが出演してるのも嬉しいね。かなり老けたがスーツの着こなしがダンディですヨ。謎拳法を繰り出すシーンでは「身体硬ッ」とか思いマシタけど。彼の部下役もメイフラワー夫妻に負けず劣らずおバカ。特にキットカット役のデヴィッド・カルーソには地味に笑わせてもらった。
寒いおっさんギャグ満載で登場人物はどいつもこいつもお間抜けで盗みのシーンにはさっぱり緊張感がナイし、ヒロインがクライマックスで逝っちゃった演技するしと救いようのないダメダメさ加減ですが、ミーはそのダメさ加減を猛烈に愛しております。面白いと誰にでも絶賛オススメ出来る作品じゃないケド、ブルース・ウィリスのオトボケ演技を観てみたいという方は是非どうぞ。
1990年/アメリカ/100分/監督:マイケル・レーマン
HUDSON HAWK