人は決してその予言（プロフェシー）から逃れられない。

数多くのUFO目撃情報や怪奇現象で有名なウェスト・バージニア州ポイントプレザントで実際に起きた数々の出来事を題材にしたミステリアス・サスペンス。

ジョン・クライン（リチャード・ギア）はワシントン・ポスト紙の敏腕記者。ある日、妻メアリー（デブラ・メッシング）と新居候補の物件を見に行く。その帰り道、車を運転していたメアリーが突然、恐怖に顔を歪ませ悲鳴を上げる。車は暴走したあとに急停車。メアリーは車の窓に頭を激しく打ちつけ意識不明。突然の出来事にパニックに陥るジョンだったがどうにかメアリーを病院へと運び込む。やがて病室で意識を取り戻すメアリーだったが、彼女はジョンに不可解な問いをする。「あれを見なかった？」

“あれ”とは何なのか？ジョンが答えを見い出す間もなくメアリーは息を引き取ってしまう。失意の中、病室の後片付けをしていると、メアリーが書き残したノートが見つかる。黒っぽい影のような絵、羽のようなものを広げた黒い物体、ruin、ruin（破滅）と書き綴られたページ。メアリーは一体、何を見たのか。そして2年後。ある晩、仕事でワシントンDCからリッチモンドへ向かい車を走らせていたジョンはいつの間にか600キロも離れたウェスト・バージニア州ポイントプレザントにいた。やがて彼はこの町で起きている不可解な事件がメアリーの死の間際の言動に繋がりがあると気づくのだが…

思わせぶりすぎ。謎は謎のまま。ゴキブリに人間は理解出来ないのですッ。ハイ、「プロフェシー」の感想終了。早いな。エラく○漏だな。え〜と。ツマラナイわけではないですよ。リチャード・ギアが謎の言葉を残して亡くなった妻の死の真相を掴もうと不可解な現象と戦いながらも真実を求める涙ぐましい姿が終始、描かれている当作品はギア萌えの方なら必見の作品であります。ま、ラストはホントに数々の怪現象の真相がはっきり解明されるワケでもなく投げっぱなしジャーマンで終わっちゃうワケですが、とんでも結末とかでお茶を濁されるよりは数倍潔いのではないかと思ふ。デモ、やっぱり言いたい。ゴキブリに人間は理解出来ないのですッ！なんじゃそりゃ。まぁ観りゃ判るよ←投げやり

しかし妻が謎の言葉を残し死ぬというツカミがほぼ同時期に公開されたシャマラン監督の「サイン」と被っており、観始めた時はどうしようもない不安に駆られる。ミーはサスペンスとかホラーとかミステリを期待して観てるんだが、もしかしてとんでもコメディな展開になっちまうんじゃないかと。ストーリー中盤でジョンがアルミ帽子とか被るんじゃないかと。ま、アルミ帽子もお宝水着特集ビデオも出てこなくてホッとしましたよ。

中盤からはかなりホラー度が増すのでホラーが苦手な方は覚悟をして観た方がヨロシイですよ。電話のシーン辺りはけっこう背筋に寒いものが走りましたよ。いわゆる超常現象モノで謎は解明されないまま終わってしまうという、ともすれば消化不良な気分になりそうな作品ですが、その謎の見せ方と展開が非常に丁寧で怖ろしい怪物や幽霊が出てくるワケでもなく、ご無体な惨殺シーンがあるワケでもないのにけっこうゾクゾクとさせてくれる雰囲気を持った作品でした。この手の作品にリチャード・ギアが出演したのはちょっと意外だったけど、いいカンジで年を重ねて渋みと色気を兼ね備えたステキおやじぶり。怪現象の謎に迫るだけではなく、それを通じてジョンが妻の死を乗り越えていこうとする姿が描かれている点がいい。
2002年/アメリカ/119分/監督:マーク・ペリントン
THE MOTHMAN PROPHECIES
2009.03.12記