神秘の宝をめぐり、死者の軍団との壮大な戦いが幕を開ける!
「ハムナプトラ」シリーズ第三弾。今度は中国のミイラと戦っちゃうぞ。
古代中国。自然界を操る魔力を持った皇帝(ジェット・リー)は圧倒的な武力を行使して中国全土の制覇に邁進する。その目的のために不老不死の力を得ようとする皇帝は呪術師ツイ・ユアン(ミシェール・ヨー)を部下のミン将軍(ラッセル・ウォン)と共にシルクロードの彼方へと旅立たせる。そこでツイは不老不死の魔術を発見する。だが、ツイとミン将軍と愛し合っていることに気付いた皇帝は都に戻った2人に残虐な処罰を与える。ツイの目の前でミン将軍を処刑したのだ。愛するミン将軍が処刑される姿を目の当たりにしたツイは皇帝とその臣下全員に呪いをかける。燃え盛る炎の中、陶器に姿を変える彼らを尻目に広大な大陸へと姿を消すツイ。
それから約2000年の時が流れた1946年。リック(ブレンダン・フレーザー)とエヴリン(マリア・ベロ)のオコーネル夫妻は第二次世界大戦を乗り越え、ロンドンで平和に暮らしていた。エヴリンはエジプトでのミイラと戦った冒険を小説として出版し、作家として大成功していたが、平穏無事に過ごす日常に物足りなさを感じていた。一方、リックも戦時中は諜報員として数々の手柄を立てていたが今は魚釣り以外にこれといってすることもなく退屈な日々を過ごしていた。そんなリックの元へ外務省から新たな任務が舞い込んでくる。持ち主を不死の泉へ導く力を持つといわれるブルーダイヤ、“シャングリラの眼”を上海の博物館へ届ける仕事。引退したというのは表向き。上海の博物館の館長が古くからの友人、ウィルソン(デヴィッド・カルダー)であること上海にはエヴリンの兄のジョナサン(ジョン・ハナ)がいることを理由に仕方なく引き受けるフリをする2人。だが実は冒険に出たくてウズウズしていたのだ。だが2人は知らなかった。ハーバード大学に留学しているはずの一人息子アレックス(ルーク・フォード)も実は中国にいて2000年前の皇帝陵を発掘するという考古学史上の発見をしたことを。
上海に赴いた2人はアレックスと思いがけない再会に驚く。しかしその驚きに追い討ちをかけるように中国を世界最強国にするため皇帝の復活を目論むヤン将軍(アンソニー・ウォン)らの襲撃に遭い、アレックスの発掘した皇帝ミイラが生き返るという事態が発生。またしてもミイラと戦う羽目に陥るオコーネル・ファミリー。皇帝の世界征服の野望を阻止するためヒマラヤへ!万里の長城へ!
マテ。皇帝に名前はないのか。リーちゃまにスンバラシイ役名はないのか。あ、そういえばハン皇帝だったかな?公式サイトには皇帝としか書かれてないケド。ま、いいけど。名前なんかなくてもイイ。リーちゃまの華麗なアクションが拝めれば構わない。悪役だろうがミイラだろうがノープロブレム。全編、リーちゃま満載映像でお願いシマスよ!リックもエヴリンもいらん。アレックスなんかもっといらん。あ、それじゃ「ハムナプトラ」シリーズじゃない?こりゃまた失礼。デモ、舞台が中国という時点で既に「ハムナプトラ」じゃない気が満々なんですけど?「ハムナプトラ」って都市の名前じゃなかったっけ。古代エジプトの死者の都だよね?なんでそれが中国に行くんだ。まぁリーちゃまが出てるのでそんな些少な問題には眼を瞑るわよ。とにかくリーちゃま。なにはなくともリーちゃま。朝から晩までリーちゃま。リーちゃま参拝のために映画館に足を運んだのだ。さぁ堪能させてクレ。
いや、いきなりリーちゃまが登場したのは嬉しかったよ。悪だろうが血も涙もない非道な皇帝でも構わんよ。だがしかし。なんだ、あの呪われぶりはッ。ショックで失禁するかとオモタ。ステキなリーちゃまがとんでもないことになってますわよ。つ〜かツイの呪いのかけ方に少々、疑問発生。まぁあぁいう方法じゃないと話が続かないので不問としよう←マテ
しかし。脚本がお粗末過ぎる。リーちゃま登場の冒頭はそれほど気にならなかったがリックとエヴリンが登場した辺りから、ヤバい雰囲気満載。クスリとも笑えないジョーク。一昔も二昔も前のようなギャグに口ぽか〜んですよ。2人が平穏な毎日に退屈してる姿にはじまって15分ほどしか経ってないのに眠気発生。ええい、さっさと冒険の旅に出ろッ。で、上海到着。ジョナサンのクラブの名前にこけた。アンタ、懲りない人だねぇ。まぁジョナサンのそんなとこが意外と好きだったりするが。そして息子のアレックスと再会。もうこの辺りがカユイ、カユイ。アドベンチャーものの醍醐味の希薄さを誤魔化すためなのか家族愛のエピソードを織り込んでいたりするんだけど、これがはっきりいってちっともお涙頂戴にならない。まず設定にムリがありすぎる。前作から13年後の設定だけど、全然リックが老けてマセンッ。そりゃそうだ。実際は7年しか経ってないし。どう見ても大学生の息子がいるように見えない。それと諸事情があるとはいえ、レイチェル・ワイズの降板はかなり痛い。マリア・ベロも決してダメなワケじゃないが、やっぱり「ハムナプトラ」のヒロインはレイチェル・ワイズのようなお人形さんのような容姿の女優の方が似合ってると思うんだよなぁ。マリア・ベロがキャァキャァ騒ぐ姿なんて想像出来ませんからね。どっちかというと勇ましい。ミーは最初はてっきりボトックスを注入したが思ったほどの効果が得られなかったシガニー・ウィーバーかと思ったよ←失礼千万。しかしマリア・ベロって金髪の時とエラくイメージが違うなぁ。
なんつ〜か。リックとエブリンのいちゃいちゃぶりがとってつけた感がありありで、ちっとも似合ってないワケだ。そして息子。まず頭良さそうに見えない。前作の子役も小生意気なだけでちっともカワイクなかったが青年アレックスは更にカワイクない。アンタ、リック似じゃないのか。全く親父のキュートさを受け継いどらんな。小憎たらしいわ、足手まといだわ。リン(イザベラ・リョン)に一目ぼれするのは判るがリンちゃんまでアレックスにほんわか恋心を抱くのは全くもって理解出来んッ。肝心のアドベンチャーがなんとも薄味だから家族愛に加え、ロマンスまでも入れとけとでも思ったのか。あんれまぁ。
一番、問題なのは皇帝です。なんなのよあのオマヌケぶりは。うっかり呪いにかけられるは、復活したのはいいがヒマラヤで自分で引き起こした○○にすっぽり嵌るわ、とんでもない姿に変身するわ。KOROちゃん号泣ですッ。感動して泣いてるワケではありマセンッ。リーちゃまファンはこの作品を観るのはNGだと思う。リーちゃまの華麗な舞いが拝めるのはごく僅か。ミシェール・ヨー扮するツイとクライマックスで戦うほんの数分ですよ。そのシーン以外は大抵カッコ悪い。酷いッ。あとイエティ。ヤツらの登場シーンに唖然です。リンがいきなりヒマラヤで歌いだした?時は「リンちゃん、オカシクなっちゃったの?」と混乱。そしたら、アナタ。イエティ登場。というかイエティって雪男だろ。雪男があんなに俊敏だなんて、ちっとも知らんかったわ。なんだかなぁ。
とにかく徹頭徹尾、テキトーな展開。呆れすぎて笑いも出てきませんよ。もともと、なんとかやってりゃどうにかなるな展開なシリーズだけど、この作品はそれがあまりにも激しすぎる。リーちゃま参拝のために観に行ったが、ダメだ、こりゃ。
2008年/アメリカ/112分/監督:ロブ・コーエン
THE MUMMY: TOMB OF THE DRAGON EMPEROR
2008.08.31記