夢が犯されていく
筒井康隆の同名小説をアニメ映画化したSFサイコ・サスペンス。
千葉敦子は精神医療総合研究所に勤めるサイコ・セラピスト。彼女は研究所の所長からの依頼を受けて敦子の同僚で天才科学者の時田が開発したサイコセラピー機器、“DCミニ”を用いてクライアントの治療を行う極秘のセラピーを行うことがあった。そんな時、彼女は普段の敦子とは外見も性格も全く別人のような少女“パプリカ”に変身。パプリカは他人の夢の中に入り込み、心の秘密を探り出していく夢探偵。夢の中でパプリカに出会った誰もがそのあどけない風貌に不安を忘れる。そして大胆な行動に導かれ、謎だらけの夢の中に心の悩みを解決する糸口を見つけ出すのだ。一度彼女の治療を受けたものはその魅力に心魅かれ、二度と忘れられなくなるほど。そんなある日、“DCミニ”が盗まれる事件が発生。それは悪用されれば他人の人格をも破壊する危険があった。やがてその不安は的中、所内に次々と犠牲者が出始める。
夢の中へ行ってみたいと思いませんかぁ〜。ハイ、思います。ただし極彩色は勘弁。日常生活が極彩色ですから←ウソ。以上、パプリカの感想をお送りしました。明日の福岡地方は雨のち晴。午前中の降水確率は90%です。
コラコラ。また短小感想かよッ。だって観たのは観たがナニが言いたかったのか、さっぱり判らなかったんだもん。筒井康隆の原作も読んでないもん。確かにパプリカはそこはかとないお色気が漂ってて可愛かったですよ?敦子もクール・ビューティでしたよ?デモ、パプリカも敦子もナニを考えてるのか全然判らん。そしてラストに驚いた。敦子は○ブ専だったのかッ!と。そんなコト、これっぽっちも匂わせてなかっただろ。聞いてないよ。
映像はキレイでした。極彩色の夢に目がチカチカしました。所長が夢の中に侵入されてオカシクなった時は数十秒気づきマセンでした。そういうキャラかと思ってた。セリフまわしとかも良かったと思う。デモ、なんというか躍動感?が足りないような。アニメなんで「動き」という点では確かに不利かもしれないケド、それにしても躍動感がなさ過ぎなような。ま、ミーが一番びっくりしたのは敦子が○ブ専だったということですよ!ものには限度というものがあるだろッ!絶対○○位では○ッチ出来んな。あ、またお下劣路線に走っちゃったわ。いかん、いかん一応永遠の嫁入り前(自称)なのに。
美しい映像だが、まとまり過ぎててお行儀が良いカンジ。原作が筒井康隆なんだから、お行儀よくというよりは猥雑で暴力的で醜悪な美みたいな方が合ってると思うんだけど?夢の中身も極彩色で溢れてはいるが、迸るイマジネーションとまではいかず。オープニングの映像は光の屈折ぶりに驚嘆しましたけど。
キャラがみな印象が薄い。敦子もパプリカも。そして黒幕さえも。唯一キャラがたってのは刑事の粉川くらいかな。声優が大塚明夫さんなので得点が割り増しになってるだけかもしれませんが。夢の中でのパプリカの活躍が一番の見せ場のはずなのに粉川の活躍ぶりが一番の盛り上がり所で、そこで話が終わったのかと思わせる展開も残念。それ以降のお話が付け足しのようなカンジで盛り上がりに欠けた。もうちょっとパプリカの活躍や敦子の内面、時田との関係とかをきっちり描いて欲しかった。
とにかく。ラストのワンシーンで思った。この作品はSFでもサイコ・サスペンスでもなく純愛モノッ。
2006年/日本/90分/監督:今敏
パプリカ
2008.04.06記