ピンク・キャデラック

腕利きの賞金稼ぎが保釈金を踏み倒して逃亡した人妻を捕らえたことから巻き込まれる騒動を描くコメディ。

違法スレスレの手口で逃亡中の犯罪者を捕まえるプロの賞金稼ぎトム・ノワック(クリント・イーストウッド)は偽札所持で逮捕され、保釈金を踏み倒して生後8カ月の娘と共に行方をくらました人妻ルー・アン(バーナデット・ピータース)の追跡を保釈保証業者で友人のバディ(ジェリー・バンマン)に頼まれ、いやいやながらも引き受ける。

実はルー・アンが逮捕されたのは前科者の夫のせい。夫ロイ(ティモシー・カーハート)は狂信的な白人主義組織“純血団”のメンバーで偽札は純血団の資金として密造されたものだった。ろくでなしの夫に嫌気が差した彼女はロイの愛車であるピンク・キャデラックに飛び乗り、離婚裁判で有名なリノへと向かう。

カジノで豪遊中のルー・アンを捕まえたノワックだったが、何故かルー・アンのペースにはまってしまい、姉に預けた娘を夫らに誘拐されたルー・アンと行動を共にすることになるのだが…


おかしい。昔、観た時はそこそこ楽しめたはずなんだが。再鑑賞したら、ちっともさっぱり笑えんかったよ。イーストウッド演じるノワックがターゲットに近づくためにラジオDJやリムジンの運転手、ピエロやカジノの呼び込み、酔っ払いハスラーにと七変化するワケですが、これが金輪際、似合ってないワケですわ。

ストーリー展開も緊張感ゼロ。徹頭徹尾ユルい。ユルいなりに笑えればいいけど、これが全然笑えない。アクションもてんでダメ。クライマックスの銃撃戦やチェイス・シーンの緊迫感のなさに呆然ですヨ。エンディングのテキトーぶりに口ぽか〜んですよ。冗談でやってんのかとオモタ。純血団のボスがこれまた迫力不足。キャラ的にも身長的にも小粒でイーストウッドに対抗する敵キャラとして役不足な上に身長不足。007でジョーズを演じたリチャード・キールとかにしてクレ。あ、そういや1985年作の「ペイルライダー」では共演してるんだっけ。「ペイルライダー」、また観たいなぁ。亡霊ガンマンの話はおいといて。

おこちゃまの時に観た時はけっこうオモロく感じたのは何故なのかと再鑑賞後、小一時間ほど考えてみた。…吹き替えのせい?はじめてこの作品を観たのは多分、TVだったと思う。山田康雄さんの名吹き替えのおかげで3割増しくらいでオモロくなってたんじゃないのか疑惑発生。

ほぼ笑えなかったが、のんびりした雰囲気はいいかも。のんきに逃避行を続ける2人の姿を眺めてるだけで癒されるような気がする。ルー・アン役のバーナデット・ピータースの年齢不詳の可愛さがイイ。つ〜か当時40歳過ぎですよ。信じられへんッ。生後8カ月の娘がいても全く違和感がなかったぞッ。彼女はミュージカル女優としてかなり有名な人物らしい。よく知らんけど。彼女のコメディエンヌぶりが観ていて、かなり楽しいだけに相手が苦虫噛み潰したような表情のイーストウッド爺なのが、惜しいところ。良くも悪くもイーストウッド映画ということなのか。

再鑑賞して一番の見所だったのはチョイ役でジム・キャリーが出演してるとこかも。
1989年/アメリカ/122分/監督: バディ・ヴァン・ホーン
PINK CADILLAC
2009.12.09記

「あんなエルヴィス、見たくないわ」
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