ベニスに死す

壮麗な水の都を舞台に巨匠ルキノ・ヴィスコンティが描き上げる、究極の美。

1911年の夏。ドイツの高名な老作曲家グスタフ・アッシェンバッハ(ダーク・ボガード)は静養の為に訪れたベニスで究極の美を体現したような美少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)に出会う。ゆるくカールした金髪。透き通るような碧の瞳。まるでギリシャ彫刻のようなタジオにアッシェンバッハは次第に心を奪われ、彼を追い求めるようになる…


昔観た。全然判らなかった。最近観た。泣いた。ミーも老醜ですから(悲哀)。そんなワケないだろ!まだ嫁入り前(自称)だ!少し大人になっただけだい!…別に泣いてなんかないやい。というか世間一般では格調高い作品といわれているこの映画の感想がこんな出だしでヨイのでしょうか?多分、無問題。だってエロでえせな映画レビューですから。本能の赴くままに!

昔観た時に全然判らなかったし、面白いとも思わなかったのですが思わずDVD購入。理由は単に値段が安かったから。「ベニスに死す」が1,000円以下で買える現代ってヨイ時代なの?悲しむべきコトなの?よく判らん。で、再見。う〜ん、むちゃくちゃミーのツボにはまる作品ではないですが昔観た時より理解出来たかも。ベニスの美しいがどこか退廃的な街並み。そして流れるマーラーの交響曲。うん、上質なエロだ。いきなりエロ発言ですが立派なホメ言葉のつもりです。そして老作曲家が出会う美少年タジオ。ひぃぃ〜こんなにキレイな男の子がいるのかよ!ホントにギリシャ彫刻そのものだよ!美少年にあまり興味のないミーですが、それでも彼の人間離れした美しさにぽ〜ッとした。タジオの姿を眺めてるだけでいいの。ストーリーに起承転結とかなくてもいい。ただ彼を拝ませてくれッみたいな。そりゃヴィスコンティも長回しするわ。

実はヴィスコンティ作品はあまり観てない。「夏の嵐」くらいしか記憶にない。「地獄に堕ちた勇者ども」は観たかもしれないが、さっぱり憶えてない。現在のKOROはお耽美とか退廃的な香りはキライではないのですが、幼少時は退廃的な美よりもおっさんフェロモンむんむんな映画の虜でしたから。「狼よさらば」とか。なのでヴィスコンティ作品にあまり興味がなかった。

老境にさしかかり、容姿の衰えと精彩を欠いてきた創作に焦りを感じ、そしておそらくは貴族出身でないと思われるアッシェンバッハ。そんな彼が水の都ベニスで出会ったのは、天性の美と気品を兼ね備えた究極の美少年。「感覚が生む美」を信じていないアッシェンバッハ。「美」とは「論理」であり、それを担うのは芸術家であり、自分はその1人だと思っていたアッシェンバッハ。そんな彼が療養の為に訪れたベニスで、いとも簡単に彼の信念を覆す存在を目にしてしまう。彼に突きつけられる神の所業、タジオ。愕然とし、同時にタジオを愛してしまうアッシェンバッハ。苦悩しながらも結局は神の生み出した究極の美の前に信条を捨て、タジオへの愛に没頭していく老作曲家。

う〜む、やっぱり充分理解出来たかといえば疑問ですが、以前よりアッシェンバッハの心情が判るかも。まぁ芸術論のシーンはちょっとクドくて、もっと短くてもいいんじゃないかと思いましたが。きっとこの作品はお耽美だ、退廃的だと感じればヨイのでは?そうだ、そうだ。

お耽美で退廃的。美に翻弄され、死にゆく。美しく残酷な海辺。死化粧。
1971年/イタリア・フランス/131分/監督:ルキノ・ヴィスコンティ
MORTE A VENEZIA
2008.02.16記

「B・アンドレセンの現在。口が小さめのW・デフォーかとオモタ」
アイ★ラブシネマTOPに戻る