バーティカル・リミット

世界最高峰のノンストップエンタテインメント。

3年前、ピーター(クリス・オドネル)はロッククライミング中の事故で、自分と妹のアニー(ロビン・タネイ)を救うため、父親の命綱を切った。その苦悩から逃れようとするピーターは山に登ることを拒絶し、今は写真家となる。一方、妹アニーは世界一高い山頂に挑むという父親の夢を追い、登山家になっていた。そして実業家エリオット(ビル・パクストン)に伴ない、世界第2位の高峰K2登頂に挑むアニー。しかし急激な天候の崩れから事故が起き、彼女はエリオットら共に標高8000メートルの氷に閉ざされたクレパスに閉じ込められてしまう。偶然キャンプを訪れていたピーターは、周囲が止めるのも聞かずにベテランガイドのウィック(スコット・グレン)、看護婦で登山家のモニク(イザベラ・スコルプコ)、ポーターのカリーム(アレクサンダー・シディグ)ほか、計6名で救出部隊を結成。3組に別れ、それぞれが岩を吹き飛ばすためのニトログリセリンを持ってアニーたちの救出に向うが…


ニトロ持って救助に行くなよ。アホすぎとか思うのはダメですか。ニトロ持って救助ですって!「恐怖の報酬」ですか?とか思うのもイケナイ?デモ、超一級のB級映画。褒めてますよ〜、貶してませんよ〜。展開はミエミエですが、ド派手ですから。スコット・グレン出てますから。彼が出てるだけで得点5割増し。偏ってますか?いいの、渋いおじさん好きで好きで堪らない症候群なんだもん。

オープニングのショボい鷹だか鷲だか判んない鳥のCGに少々不安がよぎる。デモ、その後のピーターたち親子3人のやり取りに少々泣く。事故に合い、今にも墜落しそうな親子3人。息子に向かい、自分1人が犠牲になればお前達は助かる、ナイフでロープを切れという父。「いやぁぁぁッ、パパ!兄さん、切っちゃダメェッ!」と泣き叫ぶ娘。決断を迫られる息子。ドサッ。…え?なにこの編集は?うぅッと涙腺が緩みかけたのに、いきなりドサッですか?ピーターの心の葛藤はないのですか?彼は躊躇いもなく父の命綱を切ったのですか?ピーターが震える手でロープを切るシーン入れて欲しかったなぁと思ったり。おかげで垂らしかけた鼻水が引っ込みマシタよ。あらまぁ。「クリフハンガー」の冒頭に似てるなぁとか思ったり。

そしてその後の展開はなんというかハァ?ピーターのガイドがいきなり有り得ない動きで転んでケガをするシーンにまずハァ?そしてガイドの手当ての為にやってきたキャンプにアニーがいるのも、ほんの些細な偶然?遭難した3人を助ける為に6人で行って無事帰ってきたのは○人でもハッピーエンド?救助に行かなかった方が正解だろ。エンディングで微笑んでる彼らを見ても感動出来ず。というか救助に向う時に強風でヘリが近づけないから決死の思いで岩場に飛び移ったりしてたケド、帰りはどうしたのデスか?オープニングのロッククライミングの事故シーンでも編集にやや疑問を感じたけど、○○後いきなり○○○○のシーンになったのも、そんな編集でホントにイイと思ってるのか?と問い詰めたくなったり。おかげで臨場感がいまいち。ニトロの扱いもそんなぞんざいでいいのかと思ったし。まぁツッコミどころは満載でしたが、爆発シーンとか雪崩シーンがド派手なので、ストーリー展開のダメさ加減に目を瞑ればそこそこ楽しめマス。

あ、アニー役のロビン・タネイはすぐ判ったケド、ピーター役がクリス・オドネルということにはエンド・クレジットまで気づかなかったり。なんか地味だった。

標高8000メートルからの決死の救出劇のはずなんだけど、全然泣けないし、感動もしませんが何にも考えないで観る分にはヨロシイかと思われマス。
2000年/アメリカ/124分/監督:マーティン・キャンベル
THE VERTICAL LIMIT

「谷を飛び越え、向こうの峰に飛び移る驚異的アクションをスタントなしで演じたC・オドネル」
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