テロリストによる爆破テロで最愛の妻と息子を亡くした消防士ゴーディー（アーノルド・シュワルツェネッガー）。爆破直前に犯人を目撃していたゴーディーはその情報を当局に訴えるがCIAもFBIも犯人を追おうとはしない。妻と息子の死は“コラテラル・ダメージ（目的の為の犠牲）”だと言わんばかりに…

ならば俺がやる！ゴーディーはパスポートとわずかな現金、そして愛する家族を奪った男をこの手で捕まえるという固い決意だけを携え、単身テロリストが潜むコロンビア奥地へと向う。

今回の我らがシュワちゃんは消防士デス。なので冒頭は「バックドラフト」？とか思っちゃったり。無敵でもなく武器のスペシャリストでもないシュワちゃんがどう頑張るんだろうと、特に期待もせずに観に行ったワケですが、けっこう楽しめました。ストーリーも予想してたよりはしっかりしてたし。意外とシュワちゃんの演技が良かった気もしました。物語が進むにつれ、微妙に変化していくゴーディーの心情をうまく演じてたような。あら、シュワちゃんどうしたのかしら？もしかして演技派？う〜むそんなハズないんだが…

一般人ゴーディーですが、機転と体力、消防士ならではの“火”の知識をフルに使ってガンバります。武器は斧ですヨ。ドワーフの長か？と思うほどの見事な斧さばき。消防士という設定をうまく生かしてますなぁ。シュワちゃん、この作品が30作目ということで、原点に戻って超人的なヒーローでもなくガンガン武器をぶっ放す戦闘のプロでもない、死力を尽くして必死に闘う生身の男を演じようと思ったとか。じゃ、全編裸で闘ってクレ。まぁやっぱりシュワちゃんだから、とてもフツーの消防士とは思えない暴れっぷりだけど。

冒頭の火災シーンからテロ爆破、クライマックスのシーンなど音響も素晴らしく、見ごたえ充分だし、ゴーディーがテロリストの妻子を、殺された自分の妻子と心情的にダブらせる点などシュワちゃん作品とは思えない巧妙な脚本だなぁと驚きました。監督が「逃亡者」のアンドリュー・デイヴィスだからでしょうか。それと○に飛び込むシーンがあるのも。

そんなワケでなかなか楽しめた作品ですが、どうしても納得いかないのがジョン・レグイザモの出番の少なさ。特別出演か？と思うほどのチョイ役ぶり。別に彼でなくてもいいじゃん！ってカンジの役柄。彼のひっそりファンであるKOROはシュワちゃん映画に彼が出る！観なくちゃ！と密かな期待を抱いていたのに、そのチョイ役さ加減に出てきても「あ〜なんか見たコトあるような役者だなぁ。誰だっけ？」くらいにしか思わず、あとで彼だったと気付いたり（ホントにファンなのか？）

個人的に不満点はありますが、ラストも意外な展開でシュワちゃん作品の中では良作の部類かと。
2001年/アメリカ/108分/監督:アンドリュー・デイヴィス
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