愛が、次の手を決める。でも切り札は秘密。

英国軍に捕らえれた仲間を釈放するための人質としてIRAによって誘拐された若き英国軍兵士ジョディ（フォレスト・ウィテカー）。幽閉されたジョディの見張りにはファーガス（スティーヴン・レイ）があたる。しかし同じ時を過ごす内に2人の間には奇妙な友情が芽生え始める。ジョディは言う。「もし俺が死んでしまったらロンドンにいる恋人に会って愛していたと伝えてくれ」と。やがてジョディの救出のために英国軍がやってくるがファーガスの不注意からジョディは死亡。英国軍の急襲を逃れ、命からがらアジトから逃亡したファーガスはジョディの遺志を伝えにロンドンへと赴く。ジョディの恋人デイル（ジェイ・デイヴィッドソン）に彼の言葉を伝えるために…

ストーリー中盤で明かされる秘密に思った。ウソだろ、おい。KOROちゃん、びっくらこきマシタ。そんな秘密があろうとは、みたいな。いや、詳しくは書けないけど。因みにミーは非常にこの作品に感動しまして当時の彼氏に激しく薦めた。そんなにイイというのなら観てみるかと素直に鑑賞した彼氏が後日、言ったね。「男の俺にこの作品を薦めるアンタの感性を激しく疑う」と。え？何故に？世間一般の男性からしたら拒絶反応もののテーマなの？○○がメインのテーマじゃないと思うんだけどなぁ。これは純粋に愛の物語だと思うんだけどなぁ。

とにかく。夜はクラブ歌手として働くデイルに会うためにやってきたファーガス。ステージで妖しい魅力を振りまきながら悩ましげに歌うデイルにコロッと惚れちゃうワケよ。惚れちゃったけどねぇ。お互いに惹かれあうようになるワケだが、ある事実の発覚で2人の関係はなんとも微妙なものに。加えて組織に見つかったファーガスはデイルの身の安全を保障する代わりにある重要人物の暗殺を命じられるワケだ。

こう書くとただのアクション映画にちょっとロマンスを加えただけってカンジの内容ですが、ところがどっこい。一捻りも二捻りもあるワケだ。ある秘密はこの作品の肝なので書けないケド。デモ、ホントに切なくて悲しくて「愛とは。人間の性とは」って思わず考えさせられちゃう作品なのよ。この作品を○○映画だと思って敬遠してる人、勿体ないですよ！一度観といた方がいいですよ！とKOROちゃん強く訴えたいわ←○○映画と伏字にしてるのに訴えたいとはこれいかに。

危険な香りを漂わせたラブ・サスペンス要素に男の友情、生き方を巧みに絡ませた見事な構成。会話もとても洗練されてて洒落ている。第66回アカデミー賞で脚本賞を受賞したのも頷ける。デイルの健気でいじらしい程の愛情の注ぎ方にも素直に心を打たれますよ。見習いたいもんだ。
1992年/イギリス/113分/監督:ニール・ジョーダン
THE CRYING GAME