ハルマゲドン接近…
平井和正、石ノ森章太郎の共作によるコミックを原作にキャラクターデザインを大友克洋が手がけたアニメ映画。
宇宙の破壊を司る“幻魔”が地球に接近しつつあった。宇宙の意識体である“フロイ”のメッセージを受け取ったトランシルバニアの王女で超能力者でもあるルナは、フロイによって遣わされたサイボーグ兵士ベガと共に幻魔から地球を守るための戦いを決意する。ルナは幻魔に対抗するため、世界中から超能力者を呼び集める。
東京に暮らす高校生の東丈も超能力者の一人だったが、彼はまだ自らの能力に気付いていなかった。だが突如、彼の前に現れたベガによってその力を開花させる。しかし、劣等感の塊である丈はルナの地球を守る戦いに参加してくれという説得に耳を貸さない。
だが、そんな丈の前にも敵は否応なく現われ、彼は激しい戦いの渦中に巻き込まれていく。
平井和正・石ノ森章太郎原作、キャラデザインは大友克洋、音楽監督にはキース・エマーソン、監督はりんたろうとなんとも錚々たる顔ぶれによる角川映画劇場用アニメ第1回製作作品でございます。声優陣も豪華。東丈は古谷徹、ルナには小山茉美、丈の姉の三千子役で池田昌子、他にも塩沢兼人、内海賢二、田中秀幸に永井一郎、潘恵子などなど。フロイは美輪明宏、ベガ役は江守徹ですよ。鉄壁だな。デビュー間もない原田知世も超能力者の一人で出てたような。全然、記憶にないですが。
ミーは原作の存在は知らなかった。ベースとなってる平井和正と石ノ森章太郎共作の漫画が少年誌に連載されたのは1967年だもん。いくらご老体KOROでもさすがに知らん。ついでにこの作品を観た当時のミーは大友克洋も知りませんでした。「AKIRA」を読んだのはこの作品が公開された後だったと思う。とにかく角川作品らしく、派手に宣伝してたような記憶がある。当時は角川映画=イイッ!みたいなカンジだったような気がする。当時の言葉で言えば「角川映画ってナウいよね!」なのか?イカすとかナウなヤングにバカウケとかはおいといて。
作品自体は娯楽大作に仕上がっていてけっこう楽しめた。さすがにかなり昔に観たんで細部は忘れた。なんか派手だったくらいしか印象にないよ。あと東丈が主人公のはずなのに、やたらとデコッパチであんまりカッコよくなかったような。
結末は映画オリジナルのものらしいですが、ミーは原作を知らないんで不満は特にないケド、原作ファンからしたら非難轟々だったのかも。KORO的には凝りまくったディテールで緻密に描き込まれた作画が当時としてはあまりに斬新だったんで、それだけでかなり満足したなぁ。ストーリーは展開がやや冗長な部分もあり、時々睡魔に襲われたような。
KORO的に一番印象に残っているのは作品の内容そのものよりも一緒に観に行った(つ〜か、ムリヤリ連れて行かれた)当時の彼氏が映画の世界に入り込んだのか、丈が超能力者ゆえに葛藤するシーンや三千子さんが○○シーンでミーが隣にいるのも構わずに大いに啜り上げてたコト。真剣にヒイたわ。おかげでストーリーが吹っ飛んだわ。「幻魔大戦」と聞いただけで「男がメソメソする映画」という偏見に満ちた印象しか浮かばんわ。
機会があればもう一度ちゃんと観直してみたい。
1983年/日本/135分/監督:りんたろう
幻魔大戦