グロリア

グロリア、あんたはすごい。タフで、クールで…やさしいよ。

マフィアの重大な秘密を暴露しようとした為に惨殺された一家の生き残り、フィル少年(ジョン・アダムス)を成り行きからかくまうことになってしまった中年女グロリア(ジーナ・ローランズ)。フィルが秘密を握っていることを知ったマフィアはグロリアまでも狙う。子供嫌いのグロリアはフィルをはじめは疎ましく思うがマフィアから共に逃げるうちに徐々に母性本能が芽生え、いつしかお互いがかけがいのない存在となっていく。中年女グロリアが孤軍奮闘。こんなにクールでカッコイイおばさんはざらにはいねぇぜ!


1998年にシャロン・ストーン主演でリメイクされましたが、ジーナ・ローランズの迫力、かっこ良さにはシャロン・ストーンは遠く及びません。シャロン・ストーン演じるグロリアは単にケバくてキィキィうるさいおばちゃんだったよ。スタイルは断然、オリジナルのグロリアよりは良かったが、だからといってそれがなんのプラスにもなってないワケだ。シャロン・ストーンが念願叶って映画史上、最高にクールな女と謳われた「グロリア」を演じることが出来て至極、ご満悦なのは伝わってきたけどリメイクする意義が全然見出せなかった。期待外れだったリメイクのことはどうでもいいのよ。軌道修正。

ジーナ・ローランズ演じるグロリア。監督であり夫でもあるジョン・カサヴェテスが彼女の魅力を最大限に引き出していた。たしかに彼女が演じるグロリアは薹が立ちまくってるよ。疲れた中年おばさんだよ。しかし、だからこその迫力。説得力がある。彼女が不敵な笑みを浮かべながら銃をぶっぱなすシーンはチビりそうになるほど、かっこいい。うん、女と産まれたからにはグロリアみたいなおばちゃんになりてぇ!と誓った10代のKORO。未だにグロリアみたいな粋な姐さんにはなれてマセン。口の悪さは負けんのだが。とにかくジーナ姐さん素敵です。「レオン」はこの作品に影響を受けたとか受けないとか。

主人公の性別を置き換えただけでたしかにストーリーの大筋はほぼ同じ。デモ、こちらの方が好き。泣ける。単純なKOROは「レオン」でもラストでむせび泣きましたが、やっぱり、あの2人が恋愛感情?ちょっとちがうかもと思った。この作品は序盤ではフィルが生意気だし、確かに演技力は疑問だけどグロリアとフィルの会話が粋でイイ。いなくなったフィルを探すグロリアのさり気ない仕草までもがカッコイイ。はすっぱなファッションさえ、ステキ。

フィル少年が最初はほとんど無表情だったのに徐々に表情豊かになっていくトコも泣けた。グロリアと次第に心通わせていってるんだなというのが、なんの説明はなくともストレートに伝わってきてヨイ。グロリアはKOROの永遠の憧れの姐御。
1980年/アメリカ/121分/監督:ジョン・カサヴェテス
GLORIA

「ジーナ姐さんのスリップ姿は色っぽいというか怖いもの見たさというか」
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