海峡

25年以上の歳月をかけ、本州と北海道を結ぶ青函トンネル開通工事に全てをかけた男と彼を取り巻く人々の人間模様を描いたドラマ。

昭和29年。本州と北海道間で運行していた青函航路では海難事故が相次いだことから、青函トンネルの着工が計画される。技術調査団の阿久津(高倉健)は掘削調査のために津軽半島を訪れ、ある日竜飛岬で身投げを図ろうとした牧村多恵(吉永小百合)を救う。多恵は飲み屋を営むおれん(伊佐山ひろ子)の元へ身を寄せることになり、阿久津にほのかな好意を寄せていく。

しかし阿久津に明石海峡調査の辞令が下り、心を残しながらも故郷の岡山へと戻っていく。婚約者であった佳代子(大谷直子)と結婚し、ほどなく息子にも恵まれた。そして津軽を離れて7年後。再び青函トンネル工事調査を命じられた阿久津は久しぶりに津軽へ。阿久津のことを親しみをこめて“トンネルさん”と呼んでいた地元の人々の歓迎を受ける阿久津。そこには多恵の姿もあった。

青函トンネル工事のために人集めに奔走する阿久津。トンネル掘りのベテランである岸田源助(森繁久彌)を口説き落とし、いよいよトンネルの掘削工事に取り掛かるが、それは予想以上に危険で困難な作業だった。


わ〜、“海峡”とか観ちゃったよ。どうしたんだKOROたん!健さんが好きで好きでたまらない症候群になってしまったとか?そこに“海峡”のDVDがあったから。ついでに“白い巨塔”とか“華麗なる一族”とかも観てみた。もちろんジャニ版じゃないよ。オリジナルの方ですよ。とにかく。なんとなく観てしまったのよ。そしたら、アナタ。哀しくなるくらいダルい映画でした。

高倉健の相変わらずといってしまえばそれまでだが、寡黙で実直な男ぶりに着目するくらいしか、みどころがないんですわ。工事の様子は度々中断されて合間に人間ドラマが挟まれるんだけど、これが凡庸きわまりない。その凡庸ドラマがエラい長く続くんで、いかに青函トンネル工事が過酷を極めるかっつ〜主題がぼやけてる気がしてならん。

何度も出てくる事故シーンが緊迫感や迫力という言葉とは全く無縁のゆるいシーンばかりでコントとしか思えないのもいただけない。明らかに人形が崖を転がっていくとことか。「あぁッ」とおもむろに叫んでわざと自分からコケたとしか思えない転びっぷりで事故死しちゃうシーンにはKOROちゃん、目がテンでした。え、ドリフ?、ゆっくり鉄材に挟まれて叫び声も上げないで死んでいくとこなんて、まわりの人間はただ黙って見てるだけですからね。助けろよ。

演出も大味でスペクタル感ゼロ。健さんがいくら好きでもこの作品はナシだわ。唯一のみどころと申しますかアメージングな点。25年という長い年月が経っているにも関わらず、全く老けない吉永小百合と大谷直子ですよ、アナタ!伊佐山ひろ子なんて総白髪になるのに!健さんも白髪に老眼鏡で役作りしてんのに!どういうことなのよ!三浦友和がちょっと血の気の多い青年役で出演してるのもみどころかも。角刈りが似合ってないケド。
1982年/日本/142分/監督:森谷司郎
海峡
2010.09.23記

「風ぁ抜けたぞ」
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