キングダム

何度も仮病を使い入院を繰り返すオカルト好きのおばさん、臓器が大好きな外科医、病院の地下に秘密の根城を設ける若い医師、デンマークを田舎と嫌うスウェーデン出身の医師らが巨大病院内で繰り広げる、どこか狂った人間達の物語。

デンマークの首都、コペンハーゲンに建つ巨大病院キングダム。左遷されてきたと噂されるスウェーデン人の医師、ヘルマー(エルンスト・フーゴ・イエアゴー)はデンマークを田舎と嫌っており、常に不機嫌で倣岸不遜な男。病院内の誰とも親しくなろうとはせず、若いクロウスホイ医師(セーン・プリマール)とは特に仲が悪かった。クロウスホイはとにかく虫が好かないが、病院内の雰囲気も勤めているスタッフもそして患者さえもヘルマーは気に入らなかった。病院のいたる所で怪奇現象が起きたと騒ぐ入院マニアのドルッセ夫人(キルステン・ロルフェス)、癌に冒された臓器の標本を集めるのが趣味のボンド医師(バアド・オーヴェ)、院長の息子でありながら女の尻を追うしか頭にないモッゲ(ペーター・マイシンド)、予言者のようにこれから起こる出来事をニヤニヤ笑いながら口にする厨房で働く知能障害を持つ兄妹。ことあるごとにヘルマーは叫ぶ。「デンマーク人はクズだ!」

ある日、ドルッセ夫人はエレベータ内で謎の少女の声を聞く。降霊術を趣味とする彼女はその声を霊のものだと信じ、彼女は病院で雑役夫として働く息子の助けを借りて少女の正体を探り始める。どうやらその霊は病院の創設者であるクルーガー博士と関係があるようだった。


この作品はデンマークで放送されたTVドラマなんですね。1994年度(いっせんきゅうひゃくきゅうじゅうよねんど)の作品をじっくり観てください。さぁみなさん、怖がらないで観てくださいよ。ほんとは怖いんだけれど。ラース・フォン・トリアー監督の不気味な、だけれども美しい作品を楽しんでくださいね。それでは後で会いましょう。…なんで淀長さん風なんだよ。ついでに映画じゃないよ。デンマーク以外では映画として公開されたらしいが。とにかく大好きな作品なので書いてみる。

とにかく出てくる人たち、揃いも揃ってイカレポンチ。ガンウィルスに冒された臓器が大好きな医師。この医師は自らの肉体がガンに冒されようとも嬉々としてますから。勝手に病院の地下に秘密のアジトを作り上げる若き医師クロウスホイ。追い出されてもまた入院してきて病院内の怪奇現象を探す入院マニアでオカルトマニアでもあるおばさん、ドルッセ夫人。年上の看護婦に冷たくあしらわれ、とんでもないモノを盗んで嫌がらせする院長のバカ息子。あげたらキリがありません。そんな変人たち目白押しのキングダムですがメインはこの病院で昔、起きたある事件。まぁこれがなんともしれんくらいに不気味なんですね。少女の霊が話しかけてくるんですよ。こんな病院には入りたくないですね。この作品に出てくる怪しからん医者にはかかりたくないですね。こら、また淀長さん風かよ。おもいっきり似てねぇぞ。そんなKOROの淀長さんの名解説フォーエバー精神はともかく。

全編、黄褐色に染まったざらついた映像。大部分を占める手持ちカメラによる揺れる映像。そして内容は非常にグロイ。病院内の出来事ですが、「ER」のような真面目な人命救助とそれに関わる医師達の苦悩なんて期待してはいけません。どこまでも変な人たちによる変な物語です。合言葉は偏屈爺、ヘルマー医師の口癖である「デンマーク人はクズだ!」一応、彼が主役だったような気がする。ミーはクロウスホイが好きデシタ。やや頭髪事情は淋しいが血気盛んなトコロがヨイ。

ざらついた映像はまるで監視カメラを覗いているようだし、序盤はエグいシーンが満載でけっこうホラーだけどあまりにエグすぎて逆にこれはギャグなんじゃないのかとミーは思ってしまいマシタよ。そしてすっかりハマりましたよ。「ツイン・ピークス」にハマった人なら必ず夢中になること必至。1章から4章まで全部で9時間半のDVDコンプリートBOXも発売されております。ただし非常に高い。レンタル店でもし見かけたら、一度ご覧になってはいかがでしょうか。

はい、もう時間来ました。それでは次回の感想をご期待ください。さよなら、さよなら、さよなら。
1994年・1997年/デンマーク/570分(TVドラマ)/監督:ラース・フォン・トリアー
THE KINGDOM

「稀代の怪優が特別出演」
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