キサラギ

自殺したアイドル、如月ミキの一周忌。男、5人。この部屋で事件は起こる―

D級グラビアアイドル如月ミキが自殺を遂げた日から1年。ネットを通じて知り合い、彼女の一周忌追悼会に集まった5人の男。家元(小栗旬)、安男(塚地武雄)、スネーク(小出恵介)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、いちご娘(香川照之)。如月ミキのファンサイトの常連である彼らは、この追悼会で初めて顔を合わせる。

ちょうど一年前の2月4日にマネージャーの留守番電話に遺言メッセージを残し、自宅マンションで焼身自殺を遂げた如月ミキ。彼女の思い出話に花を咲かせ、大いに盛り上がろうとする彼らだったが、明るいイメージしかなかったミキが自殺するような女の子ではないという疑問を未だに彼らは抱えていた。釈然としない思い。そんな時、誰かが口を開く。「彼女は自殺じゃない。殺されたんだ─」

この発言が引き金となり、状況は一変。追悼会は怒涛の推理合戦と化す。自殺ではない?殺人?では真犯人は誰なんだ!徐々に明らかになる当時の状況。5人の男たちの素性も次々と明かされていく中で如月ミキの死の真相を掴もうとする彼らが辿りついた真実とは?


最近、やたらと邦画作品を鑑賞しておるKOROです。ミ・アモーレ。アニメ作品以外で映画館で鑑賞した邦画は2006年の「DEATH NOTE the Last name」が直近のKOROたんデス。メンソーレ。

うむ、意味のない掴みでスマン。「デスノ」の前は2003年の「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」が映画館で鑑賞した邦画だな。…どっちもビタ一文払ってマセンが。「デスノ」が観たいって知り合いのオゴリだったり、試写会が当たったから付き合ってくれっていう知り合いのお誘いだったりしましたから。そんなコトはどうでもヨイ。「キサラギ」の感想をお書きなさいよッ。ウィ、マダム。

はい、それでは。公開直後からオモロいと評判を聞いておりましたが、KORO的にキャストがそれほど好物でなかったのでスルーしておったワケですが、急に香川照之祭りを開催したくなり観た。いちご娘がドアの陰から顔を覗かせてるだけで爆笑してもうた。カチューシャしただけで腹抱えて笑ってしもうたよ。香川照之無敵状態。

彼以外の出演者もいい。邦画コメディにありがちな舞台劇のようなオーバーな演技が目立つけれど、ミーはそれほど鼻につかなかった。小栗旬がけっこうイイ味だしてたのは驚いた。ミーは全然、小栗旬は好物じゃない。彼の出演作品なんて全く観てないに等しいので、素直に「へぇぇ、巧いなぁ!」と感心しましたわ。ユースケ・サンタマリアは冷静な口調の時はいいが、声を荒げるシーンでは若干ふざけてる感があったのは惜しい。小出恵介は若干、小栗旬とキャラがかぶってるような気がしなくもない。スネークというハンドルネームのワリに日和見主義な点にワラタ。塚地は序盤はほぼ出番がないが、けっこう美味しいトコを持っていきましたね。まさか彼が○○だとは。

キャストもよいが脚本がこれまたヨイ。登場人物の台詞がいちいちオモロい。スネークの「お前なんか毎日香でじゅうぶんだッ」とか「急に中心に入ってきたぞ」や「いちごのおっさんッ」にバカ笑い。いちご娘なんて「いちご、むすめです」と小首を傾げるだけで爆笑もんでしたわ。挙げたらキリがない。

ストーリー。テンポもいいし、随所に散りばめられた小ネタを回収していく展開が小気味ヨイ。あの明るいイメージしかなかった如月ミキが自殺するなんて…という思いから推理合戦を繰り広げていく男たち。徐々に明らかになっていく当時の状況。それに合わせてネット上でしか付き合いのなかった男たちの素性も明かされていくワケですが、それぞれの立場が明らかになっていく内にどんどんヘタレになっていく小栗旬に同情してもうたよ。鼻水垂らしても男前なのに感心。ちょっと好物男子に見えてきた。

狭い室内の中で繰り広げられるドラマ。如月ミキのファンである接点以外、共通点がないと思われた5人の男たちの世界が一つになった瞬間、清々しい気分になる。はじめは「バカな男たちだなぁ」と思ってたのに、話が進むにつれ、必死にミキちゃんの死の真相を掴もうとする姿にいつの間にか妙に同情しちゃってた。一緒になって笑って怒って泣いてた。

マイナーアイドルの死の真相を探る男たちの話なんで、勝手にドス黒い話と思ってたんですが、涙あり笑いありのストーリーに鑑賞後はなんとも爽やか気分。蛇足といわれてる○○の登場もミー的にはアリだと思う。5人の男たちのオタ芸と○○の下手クソな○に癒された。惜しむらくはプ○○タ○ウ○のシーン。あれはちょっと頂けん。
2007年/日本/108分/監督:佐藤祐市
キサラギ
2010.02.03記

「そもそもジョニー・デップをこの角度で見たことない」
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