L.A.郊外に暮らす12人の男女が織りなす人生模様を描いた群像劇。
L.A.郊外。曇り空のある日。人気クイズ番組「チビっ子と勝負」を介して、お互いを知らぬままつながりを持つ人々の人生模様。今まさに死の床にある製作者。夫の迫り来る死に怯え、混乱の頂点の若い後妻。かつて彼が捨てた息子を探し出して欲しいと頼まれる看護人。怪しげなセックス教の教祖となった息子。ガンを宣告された番組の名司会者。その父を憎み、家を飛び出しドラッグに溺れる娘。そんな娘に恋する警官。番組が始まり、尿意に耐えかね漏らしてしまう天才少年。かつて、そのクイズ番組で天才少年ともてはやされたが、今はただの中年男。そんな彼らの運命に突如起こる奇跡とは。
長ッ。3時間は長い。途中で一緒に行った相手が劇中のクイズ少年と同じタイミングで尿意を催し、ほぼ同タイミングで漏らし、じゃなかった。トイレに行きマシタ。マジで漏らしそうなほどの激しい尿意だったらしく、映画の前半は下半身に意識が集中してしまい作品を鑑賞する余裕などなかった模様。ミーにとってはマグノリア=尿意という印象が一番強い。まぁ尿意はおいといて。
世間ではラストの奇跡に「なんじゃ、こりゃッ」と驚くというか呆れるというか怒る人と、今まで観た映画で間違いなくベスト1と絶賛する人と両極端らしいデスなぁ。ミーはどっちだろ?少なくとも憤慨はしてない。ラストは確かにびっくりしたけど「ワケわからん」とまでは思いませんデシタから。アメリカ南部のお話しというのが肝心なようデス。どしゃぶり=ラストのアレということですかのぅ。
群像劇のため登場人物が非常に多いワケですがKOROはトムちん怪演よりもなんといってもフィリップ・シーモア・ホフマン。泣けるねぇ。トムちんの変な長髪と爽やかでない笑顔も意外とヨカッタよ。明らかに詰め物してるおパンツ姿も。けれどフィリップ・シーモア・ホフマンの献身的な看護人フィルのパートが一番泣けた。号泣。エイミー・マンによる音楽もイイ。劇中の人物が彼女の曲を歌い継ぐシーンが良かった。この作品は長尺なのでかなり気合を入れないと再見する勇気が湧きませんが、サントラは繰り返し聴いた。サントラだけで泣ける。
登場人物に共通するのは「愛情の欠如」なのかなぁ。この作品の本当の主役は登場人物の誰でもなく、彼らをどこか遠くで見つめているだけの存在かなとも思ったり。人生最悪の瞬間を迎えている人間に、ちょっとしたヒントを与えてくれる存在。登場人物たちが例えようもない孤独と愛情の欠如にもがき苦しみながら迎えるエンディング。あのエンディングには、宗教色を感じた。ラストのアレに納得しないまでも受け入られるか、どうかでかなり評価の分かれそうな作品。
1999年/アメリカ/187分/監督:ポール・トーマス・アンダーソン
MAGNOLIA