前向性健忘（発症以前の記憶はあるが、それ以降は数分前の出来事さえ忘れてしまう症状）という記憶障害になってしまった男が、妻を殺した犯人を追う異色サスペンス。

ロサンジェルスで保険の調査員をしていたレナード（ガイ・ピアース）の自宅にある夜、何者かが侵入し、妻がレイプされたうえ殺害される。その光景を目撃してしまったレナードはレイプ犯に頭を殴られたショックも重なり、前向性健忘となってしまう。彼は最愛の妻を奪った犯人に復讐するべく、記憶を消さないためポラロイドにメモを書き、体にタトゥーを刻みながら、今日も犯人の手がかりを追うが…

全米でリピーター続出とか、公開当時はかなり話題になったようですが、ミーはサル顔ガイ・ピアースが主演なので特に興味ナシ。で、最近やっと鑑賞。観てビックリ。ガイ・ピアースが何故かカッコイイわよ？金髪がとっても似合ってるわよ？ミーの美的センスがおかしくなったのか（まともになっただけかもしれない）、とうとう視力までご老体化か？と一瞬悩みマシタ。デモ、彼がアクビするシーンで「あ、やっぱりサル顔だ」と妙に安心したり。

特殊な状況に置かれた主人公の心理状態を表現するため、時間軸を逆から辿っていく構成は斬新です。デモ、DVDとかでチャプターを後ろから逆に観たら、ホントにフツーの作品。ヒネリも何もナシ。10分しか記憶が持たないという設定のレナード。彼が車の運転するシーンが出る度に「ナタリーの家もドッドのホテルも10分以内のトコにあるのか？キミら全員ご近所さんか！」とか、車を停めてる場所は忘れないのねとかツッコミどころはあるケド、単純なストーリーを構成の仕方で、これだけ緊張感ある作品に仕上げたのはスゴイと思う。関係ないケド、えっちしても10分したら忘れちゃうから、さぁ盛り上がっちゃうわよッて時にキレイさっぱり記憶が飛んで、ふと気づくと「お前は誰だ！」とかなって気持ちよくなれないのはカワイそうだなァと思ったり。それともレナードは○○なので10分以内で…以下自粛。

あ、キャリー＝アン・モスが出てマシタ。ほとんど予備知識もないまま観たKOROは、てっきりうっかり彼女がレナードの妻役かと思ってたら違った。彼女だったら、多少老けててもレナードが今は亡き妻のコトを語るシーンで「ホントに美しくて…」みたいなコトを言っても納得したのですが、実際のキャスティングにはポカ〜ン。美しくもなんともないわよッ！せっかくサル顔ガイ・ピアースがカッコよく見えるのに、奥さんがあんなに華のない女優じゃ納得出来ないわよッ。おパンツ姿見せられても嬉しくない。いっそ最後まで奥さんの顔は出ない方が良かった。

話しがそれちゃったワ。物語の断片が徐々につながっていき、少しずつ見えてくるストーリー。デモ、観終わってもスッキリ謎が解けたかといえばそうでもないんだなぁ。ラストのレナードの言葉に鳥肌と同時にやりきれなさを感じた。救われない。

鑑賞後に色んな謎の答えあわせをしたくなる作品なので、1人ではなく誰かと一緒に観ることをオススメします。
2000年/アメリカ/113分/監督:クリストファー・ノーラン
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