2001年宇宙の旅

人類の夜明けから月面、そして木星への旅、謎の石版“モノリス”と知的生命体の接触を描く名作SF。

遥か昔。猿人の前に突如として現れた謎の物体。猿人の一人がその物体に触れ、骨を武器として使うことを覚える。反目する猿人に対してその武器を振るい、打ち殺し、空高く放り投げられた骨は一瞬にて宇宙船と変わる。

時は過ぎ、月に人類が住むようになった現代。クレーターで発掘された謎の物体“モノリス”の極秘調査のために月面基地に向かった調査隊はモノリスが木星に向けて強力な信号を発信していることを知る。そして1年半後。宇宙船ディスカバリー号は木星探査に向けて宇宙を航海していた。乗組員は船長のデヴィッド・ボウマン(ケア・デュリア)、フランク・プール(ゲイリー・ロックウッド)ら5人。そして史上最高の人工知能を持つコンピュータHAL9000。順調に進んでいた航海だったが、やがてHALに異常が起こる。


一応ストーリーはあるみたいなんですが、初めてこの作品を観た当時のミーはおこちゃまだったんで、さっぱりワケが判りマセンでした。猿人の眼前に立つ石版。それに触った猿人が骨を武器として使い、他の猿人をうち殺して骨を空に放り投げたと思ったら、アナタ。その放り投げられた骨が次の瞬間に宇宙船へと変っちゃいマシタよ。え?なんで?序盤からもう全く意味不明。

その後は宇宙が舞台。「美しき青きドナウ」や「ツァラトゥストラはかく語りき」といったクラシックをBGMに木星探査船ディスカバリー号での淡々とした日常業務が悠然と描かれてます。やがてコンピュータHAL9000に異変が起こって…。なんだか妙に台詞が少なかったせいか、途中で何度も眠りそうになった作品。熱狂的なファンがいらっしゃる作品ですが、おこちゃまKOROには全くもって理解不能だったというのが初見の感想。

ただストーリー云々というよりも映像の美しさに子供ながら魅入ったような。1968年作なので特殊効果などは今、観ればかなりチープなカンジかもしれませんが、ステーション内の整然とした美しさなどは全く古くささを感じさせないです。真っ白な室内に赤い椅子。鏡張りの壁。美しすぎる。クラシックの流れる中、万年筆がゆっくりと宙を舞う姿も素晴らしい。宇宙の静謐さを感じられるというか。

そしてキューブリックの出来る限り科学的にも工学的にも忠実であろうとして点もスゴイというか、あぁ、キューブリックだなぁというか。キューブリックらしい細部に拘ったデザインに唸る。

ボウマン船長がHALから閉め出された時にスペース・ポッドの扉を爆破して、ディスカバリー号のエアロックに飛び込もうとするシーンなんてずっと無音ですよ。空気のない宇宙空間での出来事だからという理由で、BGM以外の音は一切ナシ。普通のSF映画だったら、こういう演出は考えられないかも。「スター・ウォーズ」だって宇宙での爆破シーンはドッカンドッカンと派手に音を出してましたよ?宇宙船だってギュイィィ〜〜〜ンって爆音をたてて飛んじゃってますよ?まぁその方が迫力があるし、エンターテインメントとしては正解なワケかと思われマス。デモ、キューブリックは無音。実際に宇宙に行ったことはないケド、こういうカンジだわ!と妙に納得したり。当時の技術的な問題で断念した描写も数々あっただろうけど、あくまでリアリティを追及し、なおかつ映像的に美しく撮ることに拘ったキューブリックの完璧主義ぶりに畏敬の念。そりゃ製作費もハネ上がるわ。

これを書いてるうちにまた鑑賞したくなり、早速、秘蔵コレクションから引っ張り出して観たワケですが、そこで思い知った新事実。作品が始まってしばらくすると意識がなくなりマス。いや、起きてるんですけどね。なんか意識が飛んじゃうんですよ。気付くと始まって既に40分経ってたりとか。目は開けてたはずなのに全く意識がない状態。気合を入れて見直してもやはり飛びます、飛びます。ハッ!これはヒーリング映画なのか?←違…そんなワケで何度も観たはずなのに詳細が全く思い出せないワケが判りました。ミーはこの作品を意識を保ったまま最後まで観るのはムリッ!

つまんないワケではないのに、何故か最後までちゃんと観れない。なのにまたしばらくすると観たくなる。何度観てもワカンナイことだらけなんですけどね。モノリスって何なの?何故いきなり現れるの?HALがおかしくなるのは何故?ボウマン船長はどうしてあぁなっちゃうの?正に?の嵐ですよ。そして再度観てやはり意識が飛ぶという無間地獄。まぁ、理解する映画というよりも宇宙を感じる映画ということで。
1968年/アメリカ・イギリス/139分/監督:スタンリー・キューブリック
2001: A SPACE ODYSSEY

「デイジー・ベル」
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