NASAの宇宙飛行士スペンサー(ジョニー・デップ)が宇宙空間での作業中に「あれは何だ」という言葉を残し交信を断った。NASAの懸命の努力により、彼は奇跡的に救出され一命を取りとめる。妻のジリアン(シャーリーズ・セロン)も、彼の無事を心から喜んだ。だが地上に戻ってきた夫に対し、彼女はどこか違和感を覚える。さらに宇宙空間でスペンサーと共に作業をしていたアレックス(ニック・カサヴェテス)が変死し、アレックスの妻(ドナ・マーフィー)も自殺する。宇宙飛行士という職業を愛していたはずの夫の突然の転職。マンハッタンへの引越し。夜中にラジオのノイズに聞き入るなどスペンサーの奇妙な行動にジリアンの不安は高まるばかり。まもなく双子を身ごもるジリアン。そんな中、失踪中だった元NASAの調査員シャーマン(ジョー・モートン)が、突然彼女の前に現れ…
なんじゃ、こりゃぁ!予告編にきっちり、しっかり騙されたわヨッ!ジョニー・デップにシャーリーズ・セロン主演というのにも騙されたワ!つまんなさすぎ。大体空白の2分間に何があったのか、引っ張るだけ引っ張ってアレは何?何にもオチがないわよ。ついでにサスペンスもののはずなのに、とてものんびり観れちゃうわよ。あらまぁ。
あぁ、全然ホメ言葉が浮かばないわ。ジョニー・デップは相変わらずセクシーでした。デモ、ラストがあまりにもひどい。大体この作品、宇宙版「ローズマリーの赤ちゃん」という触れ込みだったみたいだけど、どこが?全然怖くないわよ。あんな○○の仕方じゃ、時間がかかってしょうがないというか。観始めてしばらくして、もしかしてジリアンの不安はただの勘違いでしたとかじゃないかと、こっちの方が大いに不安になったり。デモ行方不明だった元NASA調査員が現れ、ある事実をジリアンが知るシーンで、もしかして面白くなっちゃうのかと少々期待しましたが、特に盛り上がりもなくエンディングを迎えたり。ハァ、ジョニー・デップ主演だからと激しく期待して観た「ナインスゲート」も置いてけぼり作品だったケド、これもかよ…。
ジリアンはかつて両親を亡くした時に鬱病を患った過去があるという設定デス。そんな彼女が夫の事故で精神的なショックを受け、さらに夫と同時に事故にあった同僚が急死した上にその妻が目の前で自殺。ついでに夫が転職したために住み慣れたフロリダを離れ、環境の異なるニューヨークに引越し。友人もなく孤独を感じる毎日。以前とはちがう別の顔を見せる夫。さらには双子を妊娠と彼女の精神を混乱させる事態が盛りだくさん。豪華で広いけれど、どこかガランとした部屋の中で、彼女は孤独感でいっぱいです。夫は前にもまして優しいケド、何だかちがうのよ!私が知ってる夫じゃないのよ!そこに元NASA調査員のシャーマンが訪ねてきて「あなたの夫は宇宙で…・だ!」と告げられちゃったり。ついでに自殺したアレックスの妻も○○してた!と言われちゃったり。
はたしてスペンサーは、本当に以前の夫ではなく違う人間なのか?もしや人間でもないのでは?とかではなくて、ジリアンがそう思いこんでしまうことで陥る恐怖をもっと前面に押し出したら面白くなったのかも。SFサスペンスでなくて心理スリラー。それなのに脚本も兼ねてるはずの監督は、ムリヤリSFスリラーにしてしマス。しかもB級以下。ダメだ、こりゃ。
そういうワケでジョニー・デップとシャーリーズ・セロンの激しい○○○シーン以外は特に見せ場もない作品デシタ。
1999年/アメリカ/109分/監督:ランド・ラヴィッチ
THE ASTRONAUT'S WIFE