ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

ドイツで大ヒットしたアクション・ロード・ムービー。

致命的な腫瘍を脳に抱えたマーティン(ティル・シュヴァイガー)と末期骨髄腫のルディ(ヤン・ヨーゼフ・リーファース)は、それぞれ余命わずかと宣告され、病院の末期病棟の同室に入院させられる。乱暴者のマーティンと気弱なルディ、対照的な性格は2人は同じ運命ながら何の連帯感も感じていなかった。忍び込んだ病院の厨房でテキーラを飲みながら話すまでは。

天国ではみんな海の話をする、海がどんなにきれいかと。酒を飲みながらそう言うマーティンにまだ海を見たことがないと告白するルディ。海を見るためにベンツを盗み人生最後の冒険へと出発する2人。しかし、その車がギャングのもので、中に大金が積まれていたことを彼らは知らなかった。道中、残り少ない命で怖いものナシの彼らは犯罪を繰り返し、ギャングばかりか警察からも追われる身になるが…


自暴自棄デス。犯罪繰り広げてます。デモ純粋。海が見たいだけなんだよぉ!泣いた。2人でお互いの願い事を紙に書きあうシーンなんて号泣ですよ。それと、いろんなアクション映画のパロディがちりばめられてて、アクション映画ファンなら観てて思わずうれしくなるかも。お笑い部分もなかなかデシタ。ただこの映画を観に行った時、ミーと連れ以外に2人ほど観客がいたんですが、その2人とKORO達の笑うポイントがことごとく違うのがかなり気になって時々作品に集中出来なかったり。「え、なんでそこで笑うの?今の全然笑えないし!」ってカンジで。ミーのお笑い感性がズレているのか、それとも彼らの感性はかなりちがう次元に発達してらっしゃるのかと悩んだり。

展開が少々ご都合主義ですが、そんなことはノープロブレム。2人を追うギャングや警察がおバカなのも銃弾が全然当たらないのも、銀行強盗あっさり成功も全く問題ナシ。はっきり言って2人は余命わずかでただ海を見る為に病院を抜け出したとはいえ犯罪者。デモ爽やかなのよねぇ〜。なんでだろうと思ったら銃撃戦が繰り広げられても誰も死なないし、血も流れないからなんだわと気付いたり。

とにかく展開にムリがあろうともリアルさに欠けてても主人公2人のカッコよさ(ルディはあんまりカッコよくないかも?)と余韻の残るラストシーンで大満足の作品です。ドイツのバンド、ゼーリッヒが歌うボブ・ディランの「天国の扉」もラストの雰囲気をさらに盛り上げてます。
1997年/ドイツ/90分/監督:トーマス・ヤーン
KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR

「ギャングのボス役があの方ですよ!」
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