007シリーズ第4作目「007/サンダーボール作戦」をリメイクした非イオン・プロ製作の007映画。
スペクターによりNATOの核ミサイルが盗まれる事件が発生。今は前線を退き、スパイ学校で講師をしているジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は特命を受け、バハマへと向う。スペクター幹部・ラルゴ(クラウス・マリア・ブラウンダウアー)の愛人に近づくボンドだったが、そこにはスペクターの罠が待ちかまえていた。
12年ぶりにジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリーの渋みがたまらない番外編
「007/サンダーボール作戦」の脚本を巡って訴訟問題となり、その映画化権を得たケヴィン・マクローリーがその後、映画製作を発表するも再び、裁判沙汰。すったもんだの末に製作された「007/サンダーボール作戦」のリメイクです。007がお年を召しているとはいえ、颯爽としていてステキ。冒頭のシーンから機敏な動きで敵をかわして、アジトに乗り込みマシンガン連射。デモ、ここで違和感。妙にマシンガンの音がチープだ。気のせいか?で、囚われの若い女性を助け出すシーン。いきなりその子に刺されてるし!え?と思ったら訓練中の007デシタ。実弾でないと気分が出ませんとか言ってるわ。デモ、新しい上司は前任者ほど007を買ってないらしく、そのだらけた根性となまった肉体を鍛えなおして来いと007を療養所送りに。お医者さんにパセリ茶を飲めとか言われてる007が観たくて、この作品をチョイスしたワケではないんだがと困惑気味で鑑賞続行。
ああん、デモ007はやっぱり007だわ。療法士のお姉さんとしっかりイチャつくし。そこで目撃する怪しい男女。看護婦姿の美女が包帯巻いた男を苛めてマス。ん?SM映画か?またしても困惑。まぁキレイで怖いお姉さんは好きですが、この映画に出てきたスペクターの女殺し屋ファティマ役のバーバラ・カレラは怖すぎ。というかオカシイ。ファッション・センスも激しく疑問。80年代だからか?その常人には理解出来ない装いに思わず腰が引けました。彼女が作品の中盤で007に迫るシーンなんて怖さを通り越して滑稽。そんな時でもウィットを忘れない007。ステキだ。
007役のショーン・コネリー以外はオリジナルのキャストじゃないので微妙に違和感。Mはまだいいとしても(新任のMって設定)、Qとかマネーペニーにはちょっとガッカリ。CIAのフェリックスもあまりにイメージが違う。あ、若い頃のローワン・アトキンソンが出てました。ウェービーな髪型が妙に新鮮。
バーバラ・カレラには腰が引けましたが、キム・ベイシンガーは非常にビューティフルで満足。彼女と007がタンゴを踊るシーンに痺れマシタ。
内容的には会話や次々と変わるロケーションに007映画らしさを感じましたが、なんだか全体的に地味。1983年製作だけど、クライマックスの古代神殿内部のチープさ加減に60年代の作品?とか思った。アクションシーンも地味。序盤で007を襲う男との攻防もモッサリしてる上になんだかなぁってやられ方だった。ボンド・カーならぬボンド・バイクでのシーンもいまいち。コネリー・ボンドがバイクに乗ってるってなんか違うような。ラストもあっさりしすぎなカンジ。イオン・プロの製作ではないため、007のタイトルもなくお馴染みのガンバレル・シークエンスや「007のテーマ」も流れない作品ですが、全て007のウィンクに免じて許す。
1983年/アメリカ/133分/監督:アーヴィン・カーシュナー
NEVER SAY NEVER AGAIN