1993年の大ヒット作「ジュラシック・パーク」の続編。前作で生き残った恐竜たちが繁殖、野生化した島を再び訪れた命を捨てにきたとしか思えない調査隊のアホな姿を描いた第18回ゴールデンラズベリー賞「最低続編賞」ノミネート作品。
あの悲劇から4年。ある日イアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)は、インジェン社の会長ハモンド(リチャード・アッテンボロー)に呼び出され、彼の邸宅を訪れる。そこで告げられたのは驚くべき事実。実は“ジュラシック・パーク”の恐竜たちの遺伝子工場がイスラ・ソルナ島にあり、閉鎖され、放置状態の島では恐竜たちが生き延び、繁殖しているというのだ。今やハモンドの会社は倒産寸前で、この危機を救おうと甥でインジェン社の社長であるピーター(アーリス・ハワード)が恐竜を生け捕りにしてジュラシック・パークの再建を目論んでいるらしい。マルコムはハモンドに島の調査を依頼され、一旦は断るが恋人の古生物学者サラ(ジュリアン・ムーア)が既に出発したことを知り、慌てて島へと向かう。カメラマンのニック(ヴィンス・ヴォーン)、精密機械のエキスパートであるエディ(リチャード・シフ)と共に現地に到着したマルコムだったが、こっそりイアンの娘ケリー(ヴァネッサ・リー・チェスター)もトレーラーに潜り込んでいた。
阿鼻叫喚デシタ。以上、第18回ゴールデン・ラズベリー賞にて最低続編賞及びに最低脚本賞、最低人命軽視と公共物破壊しまくり作品賞にノミネートされながら、惜しくも受賞を逃した「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」の感想をお送りしました。次回は第18回ゴールデン・ラズベリー賞にてめでたく5部門制覇した「ポストマン」の感想をお届けします。お楽しみに。…ナニが悲しゅうて「ポストマン」の感想を書かなあかんのじゃ!アカデミー賞受賞作よりもラジー賞受賞作の方をやたらと鑑賞しとる自分自身に呆れるわッ!もう帰らせてもらうよ!
いかん。またとりあえずキレてムリヤリ感想を終わらせる戦法に出てしまった。だって。はっきりいってクソつまらん作品でしたから。ホントにこれってスピルバーグが監督したの?いや、してたんだろうなぁ。前作と同じような描写があったしなぁ。しかし。どうしちまったんだよ、スピルバーグ。好き嫌いはともかく、アンタは娯楽作品を撮らせたら一流じゃなかったのか。なんなんなんだ、この作品は。とにかくT-REX暴れさせとけみたいな展開にびっくらこきましたよ。原作の原型を留めないほどに大幅に変更されたという内容に原作者のマイケル・クライトンは腰を抜かしたんじゃないのかといらん心配したよ。実際、この作品をきっかけに仲違いをしたと噂されたようだが。
大ヒットした前作は恐竜映画の決定版ともいる傑作娯楽作品なので、どんな続編を作ろうとも多少なりの批判は出ただろうけど、こりゃないわ。前作に見られた恐竜への憧れやその恐竜を現代に蘇らせるという夢が今作では粉々になっております。恐竜がただのモンスターと化しております。そしてなにより。ジュリアン・ムーアがムカつくッ!なんだ、あのサラって女は!言ってることとやってることが矛盾だらけやないか!アンタのせいで死なんでもいい人間が死んでもうたわ!アンタのすっ呆けた行動で仲間が危険に晒されっぱなしやわ!アンタ一人が死んどけ。そもそも喜び勇んで島に行くな。ホントに恐竜を愛しとるならアホ面下げて島に行くな。恐竜ちゃんカワイイ★とか思ってんのかよ。どこの夢見る夢子ちゃんだ。頭から思いきりカワイイ恐竜ちゃんに喰われておしまい。
とにかく出てくるヤツらが揃いも揃ってアンポンタンばかりなので呆れる。サラがその筆頭だがマルコムの娘のケリーもアンポンタン。アンタ、パパの体験談を聞いてたんじゃなかったのかよ。なんでこっそりついてくるかなぁ!パパの話は右から左か?マルコムも前作では皮肉屋ではあるがけっこう魅力的な人物だったのに今作では魅力ナシ。ただのフツーのお父ちゃん。妙に恋人や娘のことを心配する人間臭いオヤジになっててびっくらこいた。あんなアホな恋人は放っとけと強く物申したい。
人命よりも恐竜を重視をする主人公たち。大勢のハンターがいるにも関わらず、襲い掛かる恐竜に立ち向かうでもなく逃げるだけ。ホントになんなんなんだ。終盤のアメリカ本土のシークエンスははっきりいって呆れた。逃げ場のない孤島でいかに恐竜達から逃げ延びるかがジュラシック・パークの醍醐味ではないのか。前作で描かれた生をコントロールしようとする人間の驕り、繁殖の道を必ずや見つけ出そうとする恐竜に対する畏敬の念などは全く描かれずにドンドコ、ドンドコ恐竜大量投入作戦で、とにかく暴れとけ、喰いまくっとけみたいなただの怪獣映画に成り下がったトホホ作品。
1997年/アメリカ/129分/監督:スティーヴン・スピルバーグ
THE LOST WORLD: JURASSIC PARK
2009.03.03記