リング

呪いのビデオを巡って展開する恐怖を描く。

「観ると1週間後に死ぬ」…子供たちの間で噂の広まる呪いのビデオの取材をしていたTVディレクター・浅川玲子(松嶋菜々子)。そんな噂話に半信半疑の玲子だったが、姪の智子の葬儀の際に智子の友達から聞いた話しをきっかけに、ビデオテープの存在について真剣に調べ始める。智子は呪いのテープを観た為に死んだのだと。一緒にビデオを見た3人のクラスメイトも、同日の同時刻に死んでいたのだ。真相を探るべく、智子たちがビデオを観たという伊豆の貸別荘へ赴いた玲子は、そこでビデオを発見。自らもそのビデオを観てしまう。タイムリミットは1週間。別れた元夫・高山(真田広之)の助けを借りながら、呪いを解く方法を探す玲子だが、あろうことか呪いのビデオテープを1人息子の陽一が観てしまう…


原作では浅川は男だった。高山は学生時代の友人でしかも全然カッコ良くない。文章読んだだけでもいつも脂汗浮かんでそうなイヤなヤツってカンジでしたが、映画化されたら浅川は女性。しかも高山と元夫婦。ぷち驚愕。まぁ原作通りじゃ華がないでしょうケド。

原作では呪いのビデオテープの描写が秀逸で背中がゾクゾクするほどの恐怖感デシタ。後半、あの描写は貞子の○○だったんだと気付いた時はマジで鳥肌。そんな作品が映画化ですって?是非とも素晴らしい映像で鳥肌バンバン立たせてクダサイよッ!文章だけでは表現出来ない恐怖感を映像化することによって倍増させてくれるコトに期待しつつ鑑賞。呪いのビデオテープの描写が原作を越えるには至ってませんが、なかなか。ザラついた映像が恐怖感を煽る。貞子もイイ。写真も不気味。井戸での閉塞感も閉所恐怖症のミーにはけっこうくるモノがある。

ミーはホラー不感症だから「キャァァァッ!」とか悲鳴をあげるほど恐怖しませんが、意外と楽しめる作品だわ?と思ったけど、アナタ。ひとつ大きな問題が。松嶋菜々子。彼女の演技力が作品の恐怖感を甚大に損なってマス。台詞がッ!表情がッ!それに一児の母にも見えんし、TVディレクターにも見えん。真田広之と元夫婦?なんか違うような。そして陽一が呪いのビデオテープを観た時の悲鳴にはコケそうになった。脱力。

貞子の目とかはさすがにゾクッとくるものはあった。○○から出てくるシーンとかは笑えたケド。ホラーとしては恐怖感がいまいちですが、“呪いのビデオテープ”を巡る謎解きをしてみれば、なかなか面白いと思います。

松嶋菜々子のいかんともしがたい演技力に目を瞑ればハリウッド版「ザ・リング」よりはジメジメ、ねっとりした恐怖感が味わえるかと。
1998年/日本/95分/監督:中田秀夫
リング

「近未来警察072」
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