ロボコップ

殉職した警官が“ロボコップ"として甦り、犯罪のはびこる街デトロイトで悪に立ち向かう姿を描いたSFバイオレンス・アクション

近未来のデトロイト。街は犯罪の巣窟と化し、警察経営を民間の巨大企業オムニ社が請け負っていた。オムニ社は市街再開発のため、犯罪一掃を目指し、大型警察ロボットを開発するが実験は失敗に終わる。だが、若手社員のモートン(ミゲル・フェラー)がサイボーグ警官、“ロボコップ”のアイデアを社長に売り込み、社長の承認を得る。そんな折、署に配属されたばかりの警官、マーフィ(ピーター・ウェラー)が事件を追っている最中に強盗一味に惨殺された。マーフィの遺体はオムニ社に回収され、彼の細胞が死んでいない身体の部位を利用して、サイボーグ警官“ロボコップ”が完成する。

驚異的な性能を持ち、次々と犯罪者を捕らえるロボコップに集まる賞賛の声。だが、人間だった頃の記憶を消去されたにも関わらず、時折蘇る記憶の断片に悩まされるロボコップ。次第にプログラムに狂いが生じだし、勝手な行動を起こすようになる…

俺の身体を返せ!俺の記憶を返せ!俺の家族を返せ!ポール・ヴァーホーヴェン的毒気とバイオレンスに満ちたSFアクションの怪作。


え〜と。快作と表記しようかなぁと一瞬考えたのですが、ヤメタ。どこにも爽やかさがないですから。そしてミーはこの作品を観ると号泣しますから。もう暗い、暗い。そしてバイオレンス部分が快感を通り越してエゲツない。だって監督がヴァーホーヴェンですから。まぁ、この作品が初の日本公開となった作品ですけど、いきなりバイオレンス度MAX。はじめて観た時は「宇宙刑事ギャバン」がアメリカに渡り、バイオレンスに目覚めたのかと勘違いしました。とにかくお気楽娯楽アクションとは一線を画しておりマス。ロボコップの活躍ぶりよりも序盤のマーフィ惨殺シーンの方が妙に力入っておりマス。アンタ、そこまでせんでも…と絶句するくらいに残虐非道ですから。全然お子サマ向けではアリマセン。

しかし、マジでどこまでもダークな作品。腐敗した街の描き方もリアルだし、オムニ社の内幕も醜いし、ロボコップの制裁ぶりも酷い。ラストも全く爽快感ナッシング。勧善懲悪モノのはずなのにこれっぽっちもスッキリしないのは何故ッ。エゲツないのが大好きな監督のおかげですかねぇ。しかし真実を知ってしまったマーフィの苦悩を観た時は泣いた。大いに泣いた。アクション作品でこんなに泣いたのは「ターミネーター」以来ですよ!というわけで「ターミネーター」&「ターミネーター2」に次ぐ、泣けるアクション・マイ・ベストです。あ、ミーの泣ける映画リストは全く、世間には受け入れてもらえないリストですから。「泣ける映画」に「ザ・フライ」とか入ってますから。いつか一緒に「ザ・フライ」観て号泣するステキなお相手見つけてやる。あら、いつものことだが脱線しちゃったわ。

スッキリ爽快なアクションものを期待するとアイタタな作品だし、ラストのこれでもかッというくらいのエゲツなさには胃もたれ必至ですし、バイオレンス度が高すぎて受け付けない人は全くダメな作品かと思われますが、KORO的には名作アクション。あ、関係ないけどマーフィの同僚役のナンシー・アレンの役名がアン・ルイスだった。懐かしい。
1987年/アメリカ/103分/監督:ポール・ヴァーホーヴェン
ROBOCOP
2008.02.26記

「宇宙刑事ギャバン→ロボコップ→機動刑事ジバン」
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