凶悪犯にハイジャックされたジャンボ・ジェット機を舞台にたった一人で立ち向かう客室乗務員の活躍を描いた航空パニック・サスペンス。
クリスマス・イヴ。5人の乗客と2人の殺人犯と彼らを護送する4人の連邦保安官を乗せたジャンボ機がロサンゼルスを目指してニューヨークの空港を飛び立った。ところが殺人犯のスタッブス(ブレンダン・グリーソン)が保安官の銃を奪い取り、客室乗務員のテリー(ローレン・ホリー)を人質に釈放を要求する。だが意外にも彼女を救出したのは、もう一人の殺人犯ライアン(レイ・リオッタ)だった。銃撃戦の結果、スタッブスと保安官全員、さらに機長と副機長が死亡するという事態に陥る。ライアンはテリーに自分の無実を主張し、協力を求める。しかし、自動操縦で飛行を続けるジャンボ機が嵐に突入した頃から、ライアンは殺人鬼の正体を現し…
レイ・リオッタはヨカッタよ。サイコでクソいやらしい悪役が演じさせたらヤツの右に出るものはいないね。「不法侵入」も彼の個性が光っておりマシタ。この作品もレイ・リオッタのサイコ演技のおかげでどうにか最後まで観ることは出来たが。…ヒロイン役のローレン・ホリーがちっとも可愛くないわよ!演技力もゼロでなってないわよ!演技力がゼロだからとにかく叫びまくっとけとでも思ったのか、涙と鼻水を大量に垂れ流しながら化粧がグチャグチャになるくらい叫びまくるので非常に見苦しいわ。黒い涙なんか流さんでくれ。ちっともさっぱり応援する気になれんわ。
ストーリー展開も1970年代に量産された三流航空パニック映画を彷彿とさせるような内容。これはTVムービーなのか?と錯覚しかけた。レイ・リオッタの殺人鬼ぶりがハマっているだけに惜しい。
嵐の中でたった一人、恐怖に怯えながらも殺人鬼と対決する美女というゴシック・ホラーの定番が飛行機という限定された空間で展開されるなんて、なんてステキなの!と思ったのに、肝心のヒロインが役不足。ゴシック・ホラーのヒロインはどんなに叫ぼうが涙を流そうが完璧にお美しくなくてはいけないのです。黒い涙なんか流しちゃいかんとです。航空パニックものとしてもダメだ。乗客がたった5人ですよ。コックピット内が素人目に見てもニセモノくさいですよ。チープすぎる。航空パニックものとして、なっとらんでしょうが。
航空パニックものとしても新しい形のゴシック・ホラーとしても中途半端な作品。
1997年/アメリカ/101分/監督:ロバート・バトラー
TURBULENCE