女王陛下の007

ショーン・コネリーに代わり、2代目ボンドとして颯爽と登場し、さっさと消えたジョージ・レーゼンビー主演のシリーズ第6作。

宿敵スペクターの首領ブロフェルド(テリー・サバラス)の動向を探るようにM(バーナード・リー)に命じられたジェームズ・ボンド(ジョージ・レーゼンビー)は任務の遂行中にポルトガルでテレサ(ダイアナ・リグ)と名乗る女性に出会う。ただ美しいだけでなく勝気で大胆な行動力を見せる彼女にボンドは今までに出会った女性とは違った興味を抱く。実は彼女は犯罪組織のボスであるドラコ(ガブリエル・フェルゼッティ)の一人娘。テレサというのも偽名でトレーシーというのが彼女の本当の名前。自暴自棄な生活を送る娘を案じて、ボンドに娘を託すドラコ。ボンドはその機会を利用し、ブロフェルドの本拠地がスイスにあることを突き止めるが…


さっさと消えたという表現通り、この作品のみでレーゼンビーはボンド役を降ろされます。製作中のスタッフとのトラブルや彼がイギリス人ではなくオーストラリア人だったことが原因だと言われています。興行的にもシリーズの中だるみの時期というコトもあって低迷したようですが内容はなかなかいけると思います。いつもの007映画に付き物な小道具がほとんど出てこない。そのかわりボンドがそれは過剰なまでにアクション。若さを強調するかのようにアクション満載。冒頭から異常に張り切るボンド。いや、アクションもいいんだけどイングリッシュ・ジョークは?

ブロフェルドの所在が明らかになり、スイスへ飛ぶボンド。やがて、ブロフェルドが細菌を使った人類抹殺計画で国連を脅している事が明るみになるというストーリー。アクションも見応えありな上にストーリー展開もなかなかのものデシタ。宿敵ブロフェルドは「007は二度死ぬ」に続いてのお顔登場。演じるのは「刑事コジャック」でダンディなデカ長を演じたテリー・サバラスでございます。冷酷かつしぶとい悪党を見事にこなしています。元々、悪役顔ですからねぇ。デモ、クライマックスで秘密基地が大爆破なシーンではすごく淋しそうな顔してた。ちょっと可愛かったかも。

アルプスを舞台にスキーチェイスやボブスレーでの追跡シーン、ヘリ数台による敵の秘密基地攻撃など見せ場もたっぷりです。片足でのスキーシーンにハラハラしましたヨ。それとボンドが○○したりしちゃいます。相手はとんでもなくじゃじゃ馬なお姉ちゃん。う〜む、不細工ではないんだが微妙だ。KOROのハートをノックしないんだよねぇ。今までのキレイでナイスバディなだけではない大胆で命知らず、デモとっても淋しがり屋さんっていうのは判るんだけど、そこまで魅力的かとやや悩む。他の作品でボンドが○○していた事があるという話がちらっと出てきますが、彼の○○○シーンが観られるのはこの作品だけですぜ。しっかり観とかないと損しますぜ、ダンナ←誰だ

しかし作戦のための○○○○なら、いざ知らず。本気で○○しちゃうのはどうかと思う。それはアンタ、いかんでしょ。スパイとして間違っとるでしょ。その辺りの展開はやや疑問ですが純粋にストーリーは面白い。ボンド役のジョージ・レーゼンビーはモデル出身だけあって男前だし(クドいけど)、スマート&シャープな動きを見せて頑張ってマシタ。ただショーン・コネリーの圧倒的な存在感の亡霊(?)の為か、この一作だけで消えていってしまいました。あ、演技ははっきり言ってダメだった。

007映画としては珍しくラストがとても切ない。
1969年/イギリス/130分/監督:ピーター・ハント
ON HER MAJESTY'S SECRET SERVICE

「バカデカいコピー機能付き自動金庫破り機に笑った」
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