地獄の底から這い出して、ゾンビが食う、人間を食う!残酷映画史を真紅の血糊で塗り替えた驚異のスーパー残酷!肉をくれ!もっと若い肉を!
「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生」の2作目。色彩・音楽・特殊メイクなどパワーアップされたアクション編。
ゾンビが増え続ける中、街からの脱出を試みるSWAT隊員達と人々。辿り着いたのは郊外の巨大ショッピングセンター。しかし束の間の平和も、乱入して来た暴走族によって終りを告げる…
残酷描写ばかりが注目される作品ですが、仲間がゾンビと化す恐怖感や全編に漂う世紀末の雰囲気が丁寧に描写され、極限状況でのサバイバル物として素晴らしい作品だと思います。いかに「バイオハザード」がこの作品にインスパイアされたかよく判ります。とゆ〜かカプコン、ジョージ・A・ロメロ監督にご挨拶してるの?
この作品を初めて観た時はまだ幼かったので、鑑賞後しばらく悪夢を見るほどの強烈な恐怖を味わったのですが、改めて観るとただのグロイ映画ではございませんでした。愛、友情、それに伴う葛藤、生、死そのどちらにも属さないモノに襲われる恐怖、アクション、コメディと色んな要素が見事に練りこまれている素晴らしい映画でした。既存のスーパーマーケットを利用して撮影されたそうですが、ちっともチープさは感じられませんでしたし。それに「サスペリア」などのダリオ・アルジェント作品でも音楽を担当しているゴブリンによる音楽もイイ!危機一髪のSWAT隊員が強烈パンチで危機を脱するシーンなどの音楽の使い方など効果的。
公開時コピー(冒頭の地獄の…ってヤツ)とか「ゾンビ」というグロを前面に出した邦題タイトル(原題ZOMBIE:DAWN OF THE DEAD)のせいでこの作品をグロテスクな映画と思い敬遠されている方、決してタダのスプラッタ映画ではないので一度ご覧になって下さい。
1978年/アメリカ・イタリア/115分/監督:ジョージ・A・ロメロ
ZOMBIE: DAWN OF THE DEAD