死霊のはらわた

1980年代に吹き荒れたスプラッタ映画のブームの中でもスピード感とパワフルさで群を抜く出来のスプラッタムービーの金字塔。

テネシー州の深い森の中。休日をこの森の廃屋となった別荘で過ごそうとやってきたアッシュ(ブルース・キャンベル)、妹のシェリル(エレン・サンドワイズ)をはじめとした5人の若者達。どこか不気味な雰囲気を漂わせるその別荘。深夜、勝手に地下室へ通じる扉が開き、不審に思ったスコット(ハル・デルリック)とアッシュが降りて行く。そこで彼らは「死者の書」という古い本と1本のカセットテープを見つける。好奇心からテープを再生してしまった彼らに想像を絶する恐怖が襲い掛かる!


サム・ライミ監督のデビュー作。なんでも卒業製作映画だとか。それが一般公開&世界で公開されて今やB級ホラーの快作。学生が作った作品ですから、もちろん低予算。しかしそれを補って余りある創意工夫をこらした特撮、メーキャップ。カメラワークも巧みです。大体、木に○○されるなんて普通考えつきます?う〜む、さすがサム・ライミですなぁ。

オープニングの死霊が這いまわってるシーンなんか酔っちゃいそうです。ストーリーは至ってシンプル。森に潜む死霊を目覚めさせる呪文を解いてしまった為に死霊が復活。ただのいたずらだと笑っていたみなさんですが、夜中に気配を感じ外に出てしまったアッシュの妹シェリルがきっちり死霊にとり憑かれて次々に仲間を襲っちゃいます、アナタ!襲われた仲間もたちまち死霊の仲間入り。ただ1人残ったアッシュが必死に戦うワケです。孤軍奮闘。しかしブルース・キャンベルの顔ってなにかに似てる。誰かじゃなくてナニかなんだよ。んん〜、鉄人28号?ブルース・キャンベルの角ばった顔はおいといて。

ストーリーや小道具はチープさ満開なのですが、とにかく畳み掛けるような展開にクラクラです。クドいまでの残酷描写にお手上げです。死霊にとり憑かれたシェリルを地下室に監禁するのですが、その時のシェリルの怖さったら。ご乱心としか言い様のない暴れっぷりです。死霊に取り憑かれた仲間たちの容赦ないエゲツなさに脱帽。チビるかとオモタ。

血は飛び交い、肉片は躍る正真正銘のスプラッタです。でもおどろおどろしいというより元祖ジェットコースタースプラッタってカンジなので怒涛のうちに終わってしまいます。スプラッタは基本的にあまり好みではないKOROですが、ぐっちゃぐちゃの血みどろながら、あまりのキレ具合に怖いケド笑っちゃうってカンジでかなり楽しめました。
1983年/アメリカ/86分/監督:サム・ライミ
EVIL DEAD

「緊迫するシーンでかなり堂々とスタッフの姿が映っているのはご愛嬌」
アイ★ラブシネマTOPに戻る