G.I.ジェーン

彼女は、そして、女性を越えた。

女性議員の票集めと政治的陰謀の道具として海軍特殊部隊(SEAL)の特訓を受けることになった女性将校を描いた作品。

オニール大尉(デミ・ムーア)は日頃から男性と変わらぬ実戦訓練を受ける事を望んでいた。そんな彼女にSEALの訓練を受けてみないかという女性上院議員からの誘いが。

屈強な男達さえ、その60%が脱落するという厳しい訓練にデミ・ムーアがまぁこれでもかってカンジで頑張ります。もう「ゴースト」の時の可憐さは微塵もございません。誰もが最後まで彼女は耐えられないだろうと思っているし、訓練を受けるチャンス(?)を与えた女性議員さえそうだったりします。女性の敵は女性であったりするワケなのです。

オニール大尉は男性と同等に扱われないことに不満を持っていて、男性と同じ訓練をクリアすることで女性への偏見や差別がなくなる、そして自分自身も厳しい訓練を受ける事で女性としてだけではなく1人の人間として成長できると考えています。そういったところがもう少しちゃんと描かれていれば、もっといい作品になったんじゃないかなぁと。

デミ・ムーアの演技ぶりを観る限りではマッチョな女性を描いてるだけにしか見えません。「こんなに私は強いのよ!ふん!」てな表情が見え隠れしてしまうのです。頭を坊主にするシーンも、片腕腕立てふせシーンも男性化した女性がそこにいるってカンジでした。

訓練シーンも過酷で観ていてつらい…。ホントにこんな訓練、マジでアメリカ軍はやってるんですか?キミ達おかしいよ!ってカンジです。

監督は「エイリアン」、「ブレードランナー」、最近では「ハンニバル」を撮ったリドリー・スコットですが、「エイリアン」での見事な女性の強さ(ただのマッチョではなく)を描いていたのに、この作品はそれが感じられませんでした。
G.I.JANE

「デミ・ムーアの首の太さには脱帽でございます」
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