ジュラシック・パーク

最新のバイオテクノロジーによって現代に甦った恐竜と人間の死闘を描いたSFX超大作。

アメリカのモンタナ州で恐竜の化石の発掘調査に携わっていた生物学者のアラン・グラント博士(サム・ニール)と古代植物学者のエリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)の元へインジェン社の社長でハモンド財団の創始者でもあるジョン・ハモンド(リチャード・アッテンボロー)が訪れる。ハモンドから3年間の発掘資金援助を条件にハモンドがコスタリカ沖の孤島へ建設しているというテーマ・パークの視察を要請される2人。何故テーマ・パークに我々のような学者が?と疑問を拭えないグラントとサトラーだったが資金援助に目が眩み、引き受けることにする。視察には数学者のイアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)とハモンド氏の顧問弁護士ドナルド・ジェナロ(マーティーン・フェレロ)も招かれていた。そして島に到着した彼らの目の前に現れたのはなんと群れをなす本物の恐竜たち。その光景に唖然とするばかりの一行。このジュラシック・パークはハモンドが巨費を投じて研究者を集め、化石化した古代の蚊が吸った恐竜の血液からDNAを取り出し、クローン恐竜を誕生させた信じられないような夢のテーマ・パーク、“ジュラシック・パーク”だったのだ。

遅れてやって来た、ハモンドの孫のレックス(アリアナ・リチャーズ)とティム(ジョゼフ・マゼロ)と共にコンピュータ制御された車に乗り込みツアーに出かける一行。しかし、その頃パークの安全制御を担当するシステムエンジニアのネドリー(ウェイン・ナイト)がライバル社に恐竜の胚を売り渡すために陰謀を企てていた。折りしも島には嵐が近づき、瞬く間に雲行きは怪しくなる。ネドリーにより安全装置のロックが外され、グラント達を乗せた車も止まってしまう。恐竜から防護するためにフェンスに流れている高圧電流も止まってしまった。そして車のダッシューボードに置かれたコップの水が不気味に揺れる…


あんれまぁ〜ッ!ブラキオサウルスが、ティラノサウルスが、ガリミムスが、ヴェロキラプトルが現代に蘇っちゃいましたよ!コスタリカ沖のイスラ・ヌブラル島を闊歩する恐竜さん達におったまげた。ミーは劇場でこの作品を観た時にブラキオサウルス登場シーンで本気で「おぉ〜ッ!」と叫んじまったよ。ホントに恐竜を蘇らせたのかとオモタ。それほどに驚異の映像。スゲェな、おい。ジェナロじゃないけど、金を幾ら積んでもいいからジュラシック・パークに行ってみたいぞ。ミーもトリケラトプスの大量の糞をこねくりまわしてみたいぞ。ウソです。糞はこねくりまわしたくありマセン。

序盤はバイオテクノロジーによって現代に蘇った恐竜たちを見てなんとも夢気分いっぱいになるワケですが、それだけで終わるワケがない。マルコムの言葉じゃないが自然をレイプするような真似をすると手痛いしっぺ返しが待っているのですよ。そして生命は繁殖の道を必ず見つけ出すのです。たとえそれが危険な道であろうとも。

金に困ったネドリーによってパークのセキュリティシステムが止まったことから恐竜達の暴走が始まるワケですが、きっと遅かれ早かれ恐竜達は人間の管理を逃れたと思う。たまたまそれが早まってしまっただけ。恐竜を制御しようなんてのが土台、ムリな話なワケだ。

この作品ではスピルバーグ監督は細かい人物描写は極力せず、歯止めを失った肉食恐竜が人を襲うパニック映画の方に重きを置いてるようです。そのおかげで「激突!」や「ジョーズ」以来のスピルバーグならではの恐怖映画を堪能出来ました。ビッグ・スターは出ていないけれどキャストがみな適役でいい。グラントを演じるサム・ニールは地味だが演技はなかなかのもの。アナログで子供嫌いなグラントを見事に演じておりマシタ。サトラーを演じるローラ・ダーンはちっとも美人じゃないし、全くKORO好みではないが気取りのないキャラクターが古代植物学者という役柄にはぴったり。マルコム博士役のジェフ・ゴールドブラムもまるでアドリブでしゃべっているかのような自然な演技でいいね。彼らの気負いのないありのままの演技のおかげでCGで作られた恐竜がホントに生きて動いているかのように感じられる。子役の2人も上手い。特にティム役のジョぜフ・マゼロの達者な演技には舌を巻く。素晴らしい。

スピルバーグがとにかく観客を驚かせたい。本物の恐竜を見たかのような感動を与えたいという一心で最新のCGを駆使して作った当作品。一級の娯楽作品となっております。そして怖い。ただサスペンス演出に関してはもう少しバリエーションが欲しかったかも。同じような怖がらせ方が何度も使われていたカンジ。続編の「ロスト・ワールド」でも同じような描写を使ってて、ちょっとびっくり。よっぽど気に入ったのかね。

ティラノサウルス居住区に公衆トイレがあったり、巨体のティラノサウルスが音もなく忍び寄ってきたとしか思えないシーンがあったりと小さなツッコミどころはありますが、恐竜、恐竜また恐竜とこれでもかっていうほどリアルに動く彼らの姿を観るだけで楽しめる正に恐竜映画の新しい代名詞といって間違いない傑作娯楽作品。
1993年/アメリカ/127分/監督:スティーヴン・スピルバーグ
JURASSIC PARK

「失業じゃなくて絶滅だろ?」
アイ★ラブシネマTOPに戻る