サイコ・サスペンスの原点。
アリゾナのある小さな町。不動産会社に勤めるマリオン(ジャネット・リー)は不倫相手のサム(ジョン・ギャヴィン)と昼間から情事を重ねていた。サムに結婚を迫るマリオンだったが経済的な理由をつけて首を縦に振らないサムに業を煮やすマリオン。昼休みが明け、会社へ戻ったマリオンはつい出来心から会社の金を横領してしまう。そして逃げ込んだベイツ・モーテル。そこには管理人の青年、ノーマン(アンソニー・パーキンス)と彼の年老いた母が住んでいた。マリオンに迫る影。モーテルで起こる惨劇…
ストーリー自体もスンバらしく怖いが、まずその斬新な構成に驚かされる。前半はマリオンが犯してしまった横領による心理的葛藤を丁寧に描き、一見クライム・サスペンスなのか?と思わせておいて、ヒロインが早い段階であっさり消えてびっくり。中盤以降はマリオンの妹ライラと探偵によるマリオン探しにシフト。ラストは○○によるモノローグで締め。え〜と。当時観た人はぶったまげただろうなぁ。今、観ても充分、ぶったまげますけど。公開当時、ストーリーが追えなくのを防ぐために上映途中の入場が禁止されたのも納得。
とにかく多くは語れない当作品。あまりにも有名なのでご存知でない方の方が少ないとは思うが、シャワーを浴びるシーンのショッキングさ。モノクロなのにしっかり画面いっぱいに赤い色が広がってるような錯覚に陥りマシタよ。そして徹底した暗さに満ちた演出。どれをとってもヒッチコック・スリラー、そしてサイコ・サスペンスのルーツでしょう。キュンキュンキュンキュンッ…ギャァァァァァ〜ッ!
「裏窓」や「知りすぎていた男」などの代表作がサスペンスの中にもウィットや上品な味わいがあるのに対し、この作品は身の毛のよだつような戦慄に満ちています。モーテルに泊まれない症候群発生しそうな勢いで怖い。それと会社の金を横領したマリオンが逃走してる時の焦燥感をあおる効果音もKOROの心臓を圧迫しました。マリオンよりミーの方が先にショック死するかとオモタ。
シャワーシーンのショッキングさはあまりにも有名だけど、この作品で一番怖いのは○○○が判らないトコかも。これはかなり不安だ。はじめてこの作品を観た時はまだ小学生だったと思うのですが、最後の方は覚えてなかった。というか、どうも怖すぎて途中で「ギャアッ怖い!観たくない!」と叫んだとか叫ばないとか。「サイコ」を小学生が観てはいけません。夜尿症モノです。小学生だったKOROにこの作品を「すごく面白いから」と観せた従姉はある意味、犯罪者です。児童虐待反対。ま、今では幼い時期に映画の面白さを教えてくれた従姉に感謝してますケドね。ついでにミーは漏らしてませんよ、多分。再鑑賞した時はさすがに叫びもしないし、漏らしもしませんでしたがラストではあることに気付いて鳥肌が立った。彼は○○○○じゃなくて、ホントは○○が○○○○○るんじゃないのか?…ギャァ〜〜〜ッ!
1960年/アメリカ/109分/監督:アルフレッド・ヒッチコック
PSYCHO