スケアクロウ

行こうぜ友よピッツバーグへ!大いなる夢をつかみに…

男同士の深い友情を描いたアメリカン・ニュー・シネマの傑作。アル・パチーノ&ジーン・ハックマン、2大俳優の好演が光ってます。

荒涼とした風景の南カリフォルニアの道路で出所したばかりのマックス(ジーン・ハックマン)はヒッチハイクをしている途中、同じくヒッチハイクをしている元船員ライオン(アル・パチーノ)に出会う。マックスはピッツバーグで商売を初める前にデンバーの妹へ会いに、ライオンは身ごもった恋人を見捨て、船に乗った為生まれた子供の性別も判らず、まして恋人が温かく迎えてくれるのかも判らぬ不安を抱えつつ、デトロイトへと向っています。

出所したばかりでやや人間不信気味、短気でケンカっ早いのマックスですが、いつもジョークを飛ばしてまわりの雰囲気を和ませるライオンとは妙にウマが合い、共に行動することになります。徐々にライオンの不思議と心を癒す魅力に引き込まれ、次第に笑顔を見せるようになるマックス。

ロードムービー仕立てのこの作品は旅先でのエピソードはけっこう面白くて魅力的ですが、ラストが予想以上に痛い。きれいだけど乾いたカンジのする風景とあいまって、どこか淋しさの残るエンディングでした。

タイトルの「スケアクロウ」とは“かかし”という意味なのですが、映画の初めの方でライオンが語るかかしの解釈の仕方がこの映画のポイントです。
SCARECROW

「実はこの映画でアル・パチーノとジーン・ハックマンの仲はかなり険悪だったらしい」
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